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柯市長の民衆党結党、郭氏との連合説注目


ニュース 政治 作成日:2019年8月7日_記事番号:T00085034

柯市長の民衆党結党、郭氏との連合説注目

 柯文哲台北市長の新政党、台湾民衆党が6日結党大会を開き、柯市長が初代主席に就任し、来年1月の立法委員選挙で比例代表での議席獲得を目指す方針を明示した。柯氏は、総統選の国民党予備選で敗れた郭台銘(テリー・ゴウ)鴻海精密工業前董事長、予備選への出馬を見送った王金平前立法院長との連合説が伝えられており、実現すれば選挙情勢を大きく動かすとみられる。

/date/2019/08/07/00top_2.jpg民衆党は郭氏との連合が成立すれば旋風を巻き起こしそうだ。台湾政界の第三党は結局は泡沫化する歴史の繰り返しだったため、息の長い政党になるのかも注目される(6日=中央社)

 柯氏は「人々に青(国民党)、緑(民進党)以外の選択肢を与え、政治文化を変革する責任を担う」と結党理由を説明。自身の核心思想は台湾の全体利益と人民の最大福祉であり、人々の生活を良くすることが最重要理念と強調した。党の主張は「民意、専門、価値を施政原則とする」、「オープンな政府、公民の参加と公開透明」など。

 第三勢力として支持を拡大すべく、立法委員選で比例代表での議席獲得を狙う。ヒマワリ学生運動から派生した第2野党、時代力量の泡沫(ほうまつ)化は6人しか候補者を立てなかった戦略ミスで、その失敗を繰り返さないために名簿枠上限の34人の擁立を目指すとした。ただ、人材探しはこれからだ。選挙区は小選挙区制度で第三勢力の躍進は困難なため、現時点では努力目標にとどめる。

郭氏と王氏から花輪

 初期党員は111人で、台北市政府の職員や柯主席の側近、かつての選挙チームのメンバー、随員までかき集めた。幹部に著名人はおらず、理念も空疎との批判が出ており、結党大会は同党の人材、資金、組織力、核心思想の欠乏を印象付けた。

 党大会で注目を集めたのは郭氏と王氏から贈られた花輪だ。鴻海を世界的企業に育てた実績を持つ郭氏こそ総統候補になるのがふさわしいと考える支持者は依然多く、無所属での出馬を求める署名活動には5万人の署名が集まったとされる。また、柯氏には「生活者中心」の訴えに共感する一定の支持層がある。郭氏陣営の広報担当者、劉宥彤氏が先日、郭氏、柯氏、王氏の選挙協力を示唆する発言をして以来、三者連合の可能性にがぜん関心が集まっており、蘋果日報の直近の世論調査では「郭柯連合」の支持率が蔡英文総統、韓国瑜高雄市長の二大政党の候補者を上回った。故に、民衆党が弱体であっても、総統選への関わり方によって一挙に有力勢力となる可能性は十分ある。

/date/2019/08/07/00flower_2.jpg郭氏と王氏から贈られた花輪のメッセージカードは縦に読むと「台銘」「金平」の文字が含まれている(6日=中央社)

郭氏を支持か

 7日付自由時報によると、柯氏は自身は総統選に出馬せず、郭氏の立候補を支持する考えを、近い人物に伝えたとされる。郭氏には豊富な財力と、国民党予備選を通じてインテリ層、経済重視の有権者の支持を得た実績があり、柯氏よりも二大政党に脅威を与え得るとみている。

 郭氏と王氏は先週3日に会談し、台湾の将来のために尽力することで合意。郭氏と柯氏も前日の2日に電話で会話したことが報じられている。三者連合が成立するか否かは、総統選に向けた政局で最大の注目点に浮上した。