ニュース 社会 作成日:2019年8月9日_記事番号:T00085101
10年前の2009年8月に台湾中南部を襲った台風8号(アジア名・モーラコット)により、高雄市甲仙区の小林村では、土石流で474人が生き埋めとなるなど壊滅的な被害を受けた。その後、政府や慈善団体が小林村近くの五里埔に被災住宅を建設したが、入居率は4割程度にとどまっている。
当時、政府、仏教系慈善団体の仏教慈済慈善事業基金会(慈済基金会)、中華民国紅十字総会(台湾赤十字)が共同で五里埔、および杉林区の2カ所に計270棟の被災者向け住宅を建設した。杉林区の拠点は現在、「日光小林社区」、「杉林小愛社区」と呼ばれ、旧小林村住民のコミュニティーが形成され、村に伝わる原住民文化の伝承を可能としている。
一方、五里埔に用意された被災者住宅は、長期的な生活に利用されているのは90棟のうち4割程度にとどまっている。
当時の水害で夫と親戚を失った旧小林村の住民、羅潘春さん(71)も、生き残った息子夫婦や生まれたばかりだった孫とともに日光小林社区へ移り住むことを決断した。夫を奪った山を見たくないというのがその理由だった。
「つらい思い出が残る地に戻りたくない」という感情の他、五里埔の入居率が低いのは「就業機会がない」という現実的な問題も大きい。
五里埔の被災者住宅へ入居した住民の多くは、土石流被害を逃れた山間部に田畑を保有している高齢者が占める。もともと小林村で農業に従事していた住民たちは耕作地を失い、被災者住宅にも入居せず、仕事を求めて故郷から遠く離れた地へ移り住むケースも多い。
鴻海科技集団(フォックスコン)の郭台銘(テリー・ゴウ)前董事長は09年、被災者に就業機会を提供するため、杉林区に有機農業園区「永齢農場」を開設したが、求人数は多くなかった。日光小林社区発展協会の王民亮総幹事は、地元住民に合う経営方式に変更してわれわれを支えてほしいと訴えている。
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