裕隆集団、受託生産事業で立て直し


2019年8月12日15:38  ニュース

裕隆集団、受託生産事業で立て直し

記事番号:T00085115

 自動車大手、裕隆集団は10日、他社の新車の研究開発(R&D)から組み立てまでを担う専門の受託生産プラットフォームを創設すると発表した。規模の経済で、販売不振の「LUXGEN(ラクスジェン)」の高額のコスト負担を軽減し、台湾唯一の自社ブランドを守る狙いだ。11日付工商時報などが報じた。

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 裕隆集団は、長年蓄積してきた研究開発や生産能力を自社グループのブランドのみに使用してきたが、今後は他社とリソースを共有することで規模の経済を実現すると説明。これにより、納智捷汽車(ラクスジェン・モーター)の高額の研究開発費や生産コストの負担を軽減し、経営体質の改善、ブランド運営の健全化を図ると表明した。

 受託生産は、既に数社から引き合いがあり、フランスやイタリアの物流用の電動自動車(EV)やバイクメーカーと商談中だと明かした。

 一方、ブランド事業を終了するわけではないと強調した。台湾では予定通り第3四半期に新車スポーツ用多目的車(SUV)「ラクスジェンURX」を発売し、中国では合弁会社の東風裕隆汽車がラクスジェンのEVを生産し、中国販売を継続すると説明した。

中国販売不振が直撃

 裕隆汽車製造(ユーロン・モーター)が10日発表した第2四半期連結売上高は210億2,200万台湾元(約710億円)で純損失11億9,100万元と赤字に転落した。上半期も連結売上高412億5,900万元で純損失9億3,700万元と、異例の赤字だった。自社ブランド「ラクスジェン」の中台での販売不振で、金型や研究開発技術の資産の40億元余りの減損損失(特別損失)を計上したことが響いた。計上した子会社の損失は▽東風裕隆汽車、18億900万元▽納智捷汽車、15億800万元▽華創車電技術中心(HAITEC、華創オートモービル・インフォメーション・テクニカルセンター)、10億7,600万元──。

 ラクスジェンは裕隆集団が2008年に創設した自社ブランドで、台湾での14年販売台数1万6,700台、中国での15年販売台数6万400台をピークに、下り坂が続いている。17年に100%子会社、納智捷汽車銷售を設立し、東風裕隆汽車から中国販売を引き継ぐなど、てこ入れを図っているものの、昨年は中国市場の新車販売急減が響き、ラクスジェンの中国販売台数は9,700台と1万台を割り込んだ。台湾での販売台数は6,900台だった。

 厳凱泰(ケネス・イエン)氏の死去に伴い、昨年12月に董事長兼執行長に就任した妻の厳陳莉蓮氏が、自社ブランドの夢を守るため、受託生産で再起の元手を稼ぐ策を打ち出した格好だ。今年のラクスジェン販売台数は中台でそれぞれ1万台を目指している。

【図】