第4弾関税先送り、受託業界は台湾生産へ


2019年8月14日15:56  ニュース

第4弾関税先送り、受託業界は台湾生産へ

記事番号:T00085182

 米通商代表部(USTR)が13日、対中制裁関税第4弾の一部品目について10%の追加関税の発動先送りを発表し、対象にスマートフォンやノートパソコンなど台湾メーカーへの影響が大きい製品が含まれた。一方、ノートPC受託生産大手4社は、第4弾対策として、米国向け製品を短期的に台湾生産に切り替える準備をしている。追加関税率がいずれ25%に上昇することを見越して、東南アジアへの生産移転も進める構えだ。14日付経済日報などが報じた。

/date/2019/08/14/00top_2.jpg林クアンタ董事長(右)は、米国向け製品の東南アジアへの生産移転は必然だが、実施時期は未定と説明した(13日=中央社)

 対中制裁関税第4弾の対象品目のうち、発動が先送りされたのは▽スマホ▽ノートPC▽コンピューターディスプレイ▽ゲーム機本体▽玩具▽靴▽服飾──など。USTRは、これらは制裁関税発動を12月15日に延期するが、その他品目はトランプ大統領の予告通り9月1日から発動すると説明した。

 ノートPC受託生産大手、広達電脳(クアンタ・コンピューター)の林百里(バリー・ラム)董事長は13日、中国からの生産移転について「既に準備は整った」と強調。同社は半年前から米国向け製品の台湾生産に取り組んでおり、顧客が要望すれば全製品を台湾から出荷できると説明した。サプライチェーンは、同社が7割を生産するアップルのノートPC「マックブック」を、台湾での生産に切り替えると予想している。

 同社製品は米国向けが3分の1を占め、第4弾の追加関税率10%は大幅なコスト増となる。短期的には全て台湾で生産することで対応するが、顧客の決定を待って東南アジアに工場を設置する計画だ。

コンパル、台越で対応

 仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)は、生産するPCの3~4割が米国向けだ。顧客の要望に従って平鎮工場(桃園市)にノートPCの生産ラインを移転、8月より米国向けに少量出荷を開始した。年末まで出荷量を拡大していく。ベトナム工場でも年末に消費者向けノートPCなどの量産を開始する予定で、台湾とベトナムのいずれでの生産にも対応できるようになる。

 英業達(インベンテック)は、今後数カ月で大渓工場(桃園市)のノートPC生産能力を同社全体の3割へと、従来の1割から引き上げる計画だ。緯創資通(ウィストロン)は既に生産ラインの一部を新竹工場に移転している。追加関税率が25%になれば、フィリピンへの移転を計画する。

アップルウオッチ、中国生産継続

 各社が近年注力するPC以外の製品については、インベンテックが、アップルのワイヤレスイヤホン「AirPods(エアポッド)」を中国以外で生産することを検討しているとみられる。生産に当たる傘下の英華達(インベンテック・アプライアンシズ)は、今年1月から一部のスマート端末をペナン工場(マレーシア)で量産しているが、重要顧客(アップルを指す)の製品の生産移転先はペナンではなく、まだ決まっていないと説明した。

 ただ、コンパルとクアンタが受託する腕時計型ウエアラブル(装着型)端末「Apple Watch(アップルウオッチ)」は、依然中国での生産が続くとみられる。コンパルは2018年下半期に重慶工場での量産を開始したばかりで、生産計画に変更はないと表明した。