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記事番号:T00085238
2019年8月16日16:01

 林佳龍交通部長は15日、台湾高速鉄路(高鉄)の南港駅(台北市)から宜蘭駅への延伸を検討していると明らかにした。ルートを巡って長年決着がついていない在来線のバイパス新線「北宜直線鉄道」計画に代わる、新たな有力案となる。実現すれば南港~宜蘭の所要時間は最短15分に短縮される。交通部は、宜蘭駅から在来線の台湾鉄路(台鉄)に乗り入れての花蓮・台東方面への高鉄直通運転も視野に入れている。16日付中国時報などが報じた。

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 これまで在来線での建設を前提に検討されてきた「北宜直線鉄道」は、時間短縮効果の高い直線ルート案(南港~宜蘭の所要時間37分)に対し、翡翠ダム(新北市)の集水域を通過するため水源への影響が懸念されると反対の声が上がっており、集水域を迂回(うかい)するルート案(所要時間47分)と合わせて検討が進められていた。

 林交通部長は、高鉄延伸案は集水域を迂回する場合でも在来線の直線ルート案を大きく上回る時間短縮効果が見込めることから、有力案になるとの見方を示した。交通部は既に検討に着手しており、約1年をかけてフィージビリティスタディー(実行可能性調査)を進める予定だ。

 林交通部長はまた、建設費用は膨らまないとの見方も示した。在来線案の建設費用は、直線ルートが476億台湾元(約1,610億円)、迂回ルートが553億元と見積もられている。

 宜蘭県政府の林茂盛秘書長は、高鉄延伸案は計画中の汐止車両基地向けに確保している土地やインフラを活用できるため、在来線案に比べて用地買収関連の費用を削減できるとメリットを指摘した。

 宜蘭県民からは、西部に行く際に台北での高鉄乗り換えが不要になり、自動車で渋滞に巻き込まれる心配もないと歓迎する声が上がった。

台湾一周を高速化

 林交通部長は、高鉄の左営駅(高雄市)から屏東県への延伸構想を含む西部での高鉄整備に加え、東部では鉄道網を「快速鉄道方式」によって高速化し、台湾一周のハイスピード鉄道網の整備を目指すと説明した。道路網の整備と合わせ、「台湾全土日帰り生活圏」の構築を目指す。

 東部での高速化には、台鉄の複線化の他、高鉄の台鉄への乗り入れ構想が含まれる。宜蘭まで高鉄が整備されれば、花蓮・台東へも乗り換え不要で直通運転が可能になる。

 線路の軌間の異なる台鉄への乗り入れでは、日本の秋田新幹線でも採用されている「三線軌条方式」の採用が見込まれる。既存の軌間1,067ミリメートルの台鉄レールの外側に新たに高鉄の軌間1,435ミリのレールを敷設すれば、用地買収と建設コストの圧縮が可能だ。

【表】

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