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内需拡大に100億元、観光振興を重点


ニュース その他分野 作成日:2019年8月19日_記事番号:T00085263

内需拡大に100億元、観光振興を重点

 19日付工商時報によると、行政院は100億台湾元(約340億円)規模の内需拡大策を固めた。台湾域内旅行への補助金支給やモバイル決済への20%還元などを9~12月に実施し、消費意欲を刺激する。米中貿易戦争や中国人観光客減少への対策で、経済成長への打撃を緩和することが狙いだ。

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 内需拡大策では、▽観光旅行▽モバイル決済▽省エネルギー家電製品購入──を促進する。8月1日に発表した域内旅行補助制度の36億元を含むと、予算は100億元を超える。域内旅行補助制度は、日曜から金曜に宿泊する個人旅行に対し1人当たり1泊1,000元、団体旅行に500元の補助金を支給したり、離島での宿泊や団体旅行で2泊以上の場合に1,000元を上乗せするという内容だ。

 この他、経済部が観光工場を訪れる団体旅行に1人当たり1日500元、1団体当たり最高5万元の補助を支給する他、宿泊を伴う旅行に1泊当たり500元の夜市(ナイトマーケット)で利用できるクーポン券を配布する。

 台湾先住民関連の行政を担当する原住民族委員会(原民会)は、指定の村落55カ所での宿泊に補助500元を上乗せする。客家(ハッカ)系住民関連の行政を担当する客家委員会(客委会)は、指定の村落10カ所への団体旅行に1人当たり1日500元、1団体当たり5万元の補助を支給する。また、客家文化をテーマにした70カ所の観光スポットを訪れた台湾人や外国人観光客には、客家集落への個人旅行に電子クーポン500元相当を贈呈する。行政院農業委員会(農委会)は、観光農園やエコガイドに補助を行う。

 宿泊の有無を問わず観光を盛り上げるため、商店でモバイル決済で支払いをした場合に、20%のポイント還元を行う。政府とモバイル決済業者で負担を折半する。消費拡大だけでなく、モバイル決済の普及も狙いだ。モバイル決済を導入した商店に対する租税優遇措置は2025年まで延長する。

 一方、冷蔵庫やエアコンなど省エネ家電製品の購入補助は利用が進み、各県市政府は続々と予算切れとなっており、第2弾の計画に着手している。行政院は、追加分を内需拡大策の予算に組み込むことを検討している。

個人消費は刺激必要

 行政院主計総処の最新予測によると、2019年域内総生産(GDP)成長率は2.46%で、政府のUターン投資促進プラン「歓迎台商回台投資行動方案」の効果が現れ、総固定資本形成の成長率は5.96%、モノとサービスの実質輸出成長率(台湾元)は3.47%とまずまずだが、GDPの5割を占める個人消費の成長率は2.03%にすぎない。政府上層部は、消費刺激に注力する必要があると指摘した。

 陳其邁行政院副院長は先週15日に内需拡大策を大筋でまとめており、近く蘇貞昌行政院長に報告し、正式決定する見通しだ。

【表】