ニュース 社会 作成日:2019年8月20日_記事番号:T00085310
行政院環境保護署(環保署)がこのほど発表した酸性雨に関する調査結果によると、2018年に台湾全土で雨水の酸性度が最も高かったのは桃園市中壢区だった。年間を通じて「トマトジュース」並み、深刻な場合は「レモンジュース」並みの酸性度の雨が降った。
酸性雨の目安は、水素イオン指数(pH)が5.6より低いかどうかとされる。環保署から委託を受けた中央大学大気科学学系が全土14カ所の観測地点で実施した雨水中の水素イオン指数観測データによると、昨年の台湾全土の年間平均は5.72だった。地域別では▽北部、4.66~5.38▽中部、5.83~6.37▽南部、5.6~6.28▽東部、5.79──となり、北部の数値が顕著に低かった。
観測地点別に見ると、桃園市中壢区の中央大学キャンパスに設置された観測所で昨年に降った雨水の平均pH値はトマトジュース並みの4.66で、全土最低だった。同区における昨年1年間の最低値は3.79(2月3日)で、レモンジュースと同水準の酸性度だった。
過去のデータを見ると、中壢区は平均pH値で5年連続の全土最低を記録し、一昨年は新竹市に「首位」を明け渡したものの、昨年すぐに返り咲いた。
これについて環保署空気品質保護噪音(騒音)管制処(空保処)の蔡孟裕処長は、北部の各県市はバイクや自動車が多く、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)など大気汚染物質の濃度に大きな差はないが、中壢区の上空にはカルシウムイオンが少なく、他の北部県市に比べ水素イオンの中和効果が低いため、雨水の酸性度が高くなっていると分析した。
調査を主導した中央大学大気科学学系の林能暉教授は、酸性雨の原因となる硫酸イオンや硝酸イオンは、秋から冬にかけて外部から台湾、特に北部に進入すると説明。中でも中壢区一帯で濃度が高くなると指摘した。
全土の観測データによると、硫酸イオン濃度は過去30年間で大幅な改善が見られ、大気汚染改善政策の効果がうかがえる。しかし、硝酸イオン濃度は過去10年で横ばい、または小幅な上昇が続いている。林教授は、汚染源となる自動車・バイクの台数、工業に関する規制を強化するよう提言した。
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