ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム 会社概要 採用情報 お問い合わせ

コンサルティング リサーチ セミナー 在台日本人にPR 経済ニュース 労務顧問会員

高雄の華王大飯店廃業へ、観光業は氷河期入り


ニュース 商業・サービス 作成日:2019年8月23日_記事番号:T00085368

高雄の華王大飯店廃業へ、観光業は氷河期入り

 高雄市の愛河のそばで半世紀以上にわたって営業してきた老舗ホテル、華王大飯店(ホテル・キングダム、塩埕区)が22日、10月末で廃業すると発表した。コスト増加と経営リスク上昇を理由としている。新規ホテルの相次ぐ開業で競争が激化した中、中国人観光客の減少も新たな悪材料になったとの見方もある。観光産業は氷河期入りした雰囲気だ。23日付経済日報などが報じた。

/date/2019/08/23/00top_2.jpg同地の最初の星付きホテルとして、高雄観光業界の発展を支えてきた(22日=中央社)

 同ホテルは声明で、2011年末に引き上げられた高額の賃料負担などが休業決定につながったと説明した。10月末まで通常通り営業した後、従業員は全員離職する。高雄市政府労工局によると、解雇予定者数は42人。

 高雄市政府によると、同ホテルは客室数301室を擁するが、上半期の稼働率は37.2%(前年同期比5.3%上昇)にとどまっていた。09年に1億台湾元(約3億4,000万円)余りを投じて大規模改装を行ったが、設備の老朽化や時代遅れの経営スタイルが原因で赤字経営が続いていた。

 同ホテルは1968年開業。地上15階、地下1層建てで、敷地面積約500坪、総営業面積約5,000坪。オープン当初は高雄市を代表するホテルとして日本からの観光客も大勢訪れた。高雄市民には、主要な婚礼会場として親しまれた。

 高雄市では、高層ビル「高雄85大楼(85ビル)」に入居していた君鴻国際酒店(85スカイタワーホテル)が7月、裁判所による競売を経た所有権譲渡で営業終了を余儀なくされていた。

燦坤の旅行会社、20人解雇へ

 一方、家電量販の燦坤集団傘下の旅行会社、燦星国際旅行社(スタートラベル)が今月、台北市政府労働局に対し、8~9月に18人を解雇することを届け出ていたことが分かった。同社は、日本、東南アジア向け個人旅行と、台湾域内旅行を中心に手掛けている。相互に株を持ち合う飲食事業での損失が、本業に影響を与えたとの見方が出ている。

 同社企業部の陳宏勝経理は、6~7月に従業員25人を採用したと指摘。8月の離職者数は通常の離職と解雇を合わせて18人で、デジタル化の推進などで従業員数はかえって増加していると述べた。 同社は、新北市政府労工局にも2人の解雇を届け出た。

 同社を巡っては、解雇検討会議の録音がメディアにリークされ、一部で従業員全員を解雇するとの情報も伝わっていた。

 なお、観測によると、同社傘下の喫茶店チェーン、金鉱咖啡(クラウン&ファンシー)は、台湾全土で224人を解雇する見通しだ。内訳は▽台南市、55人▽台北市(4店)、22人▽新北市(5店)、32人▽台中市(3店)、22人▽高雄市(12店)、93人──。このうち台南市については19日、同市政府労工局に10月20日付の解雇を届け出た。

 金鉱咖啡を巡っては、実店舗を一部整理し、店舗経営からコーヒー豆供給への転換を図るとの見方も出ていた。