ニュース 政治 作成日:2019年8月27日_記事番号:T00085418
柯文哲台北市長は26日、聯合報のインタビューに対し、郭台銘(テリー・ゴウ)鴻海精密工業前董事長が総統選挙に出馬するのであれば自身は立候補しないと明言、政界出身でない郭氏が出馬することによって、中華民国に新たなリセットの機会を与えられると利点を強調した。27日付同紙などが報じた。
金門砲戦の記念行事の際に意見交換をする柯氏(右)と郭氏(左)。柯氏は、郭氏は政治の素人であっても、変革と旧来のシステムの併用によって総統職に対応できるとみている(中央社)
柯氏と郭氏、および王金平前立法院長の3人は、23日に台北市で行われた金門砲戦(823戦役)61周年記念行事にそろって出席し、第3勢力としての本格的合流が近いことをうかがわせた。
柯氏は総統選に対する自身の希望を「中道」に定めたと説明。民進党と国民党の戦いは「恐怖」と「恨み」の対決で、「恐怖」の力の方が「恨み」よりも強いため一対一の戦いであれば蔡英文総統が勝つと予想。そして、そうであるがゆえに民進党か国民党かの選択ではない中道が主流思想になってほしいと語った。
郭氏の良い点については、非常に個性が強く、財力があるため、総統になっても誰からも縛りをかけられないことだと指摘した。時には利益関係と離れた政治家以外の人物を総統にすることが必要で、素人こそが中華民国にリセットのチャンスを与えられると強調した。
9月に出馬宣言か
注目される郭氏の動向だが、週刊誌『鏡週刊(ミラーメディア)』は27日発売の最新号で、9月に無所属で出馬宣言を行うと報じた。郭氏の立候補には、独自に行うか、国民党が人気が下降線をたどる韓国瑜高雄市長を交代させる動きを待つかの選択肢があるが、長男の郭守正氏が最近、友人に「韓氏交代を待たないことを決めた」と話したという。
関係者によると、郭氏、柯氏、王氏の3人には連合を組むことで暗黙の了解が出来上がっており、今週から3人の側近がその形などについて協議を行うという。
ただ、同誌の報道に対し郭氏の事務所は「全くの臆測で創作」とコメントした。一方で、無所属で立候補する場合の有権者の署名届け出の期限が9月17日であるため、引き続き熟考しているとした。
郭柯連合、蔡韓を引き離す
蘋果日報は27日、毎週掲載している総統選世論調査で、郭氏が総統候補、柯氏が国政総顧問を務める「郭柯連合」の場合の支持率が35%となり、蔡氏の24%、韓氏の24.2%を大幅にリードしたと伝えた。三者の顔合わせを経て郭柯連合は先週から支持率が5.6ポイントアップした一方、蔡氏は5.2ポイント、韓氏は3.1ポイント支持率が食われた。
郭氏が単独で出馬した場合は支持率27.2%で、韓氏の25.6%は上回るものの蔡氏の29%にはリードを許す結果となった。郭氏にとって柯氏と組む効果が大きいことが改めて示された。
なお、郭柯連合に王氏を加えた場合、依然蔡氏と韓氏をリードするものの、支持率は33.1%へと1.9ポイント下落した。王氏は17年にわたって立法院長を務めた政界の大ベテランながら、あるいはそうであるがゆえにプラス効果を生まないようだ。
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