ニュース その他分野 作成日:2019年8月28日_記事番号:T00085445
経済部統計処が27日発表した統計によると、上半期の固定資本投資額(機械設備や工場などの購入額、速報値)は1兆9,561億台湾元(約6兆6,000億円)、前年同期比7.2%増と高い伸び幅を記録した。中国の増加幅(5.8%)を20年ぶりに上回った。米中貿易戦争の影響を受けた、台商(海外で事業展開する台湾系企業)のUターン投資拡大が大きく貢献した。28日付自由時報などが報じた。
今年通年の固定資本投資額は4兆元を突破し、前年比6%増と過去9年で最大の伸び幅を達成する見通しだ。2018年は3兆7,439億元で2.5%増だった。
固定資本投資額の増加について統計処は、台商のUターン投資加速の他、▽半導体メーカーの先進製造プロセス投資▽風力発電などグリーンエネルギー投資▽大型インフラ整備計画「前瞻基礎建設計画」の執行──などが引き続き実施されることを理由に挙げた。
業種別では製造業の割合が最大だ。ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は18年の設備投資額が2,981億元で、台湾企業の最高額だった。今年は7ナノメートル、5ナノといった先進製造プロセスでの生産能力拡充のため、3,300億元以上の高水準になると見込まれている。
こうした半導体産業の設備投資拡大を受け、半導体設備の1~7月輸入額は前年同期比33.5%増の116億米ドルと、同期の過去最高を記録した。資本設備全体の輸入額は13%増の280億米ドルで、同期の過去最高だった。
知的財産への投資拡大
上半期の固定資本投資額の用途別では、知的財産への投資の比率が24.6%に上り、11年通年の19.2%から5.4ポイント拡大した。一方、建設は36.9%、機器・設備は32.2%を占めたが、それぞれ2.4ポイント、4ポイント縮小した。統計処の王淑娟副処長は、企業が競争力強化のため、新製品や製造プロセスの研究開発(R&D)を拡大していると指摘した。
産業アップグレードに効果
学識者は、米中貿易戦争によって、従来の「台湾で受注、中国で製造、米国に輸出」という三角貿易モデルが崩れ、台商が中国と台湾の両方で生産できるよう、台湾での生産能力拡充を図っていると指摘。投資による経済効果は、貿易戦争による景気低迷ですぐには表れないが、将来的には台湾の産業全体のアップグレードや、経済体質の改善という形で顕在化すると分析した。
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