ニュース 社会 作成日:2019年8月29日_記事番号:T00085494
宜蘭県で27日、性的サービスを提供する業者を管理する自治条例が廃止された。これは今年1月、同県最後の合法売春店が廃業したことに伴う措置で、現在、台湾全土に残る営業許可を受けた売春店は2店のみとなった。
うら寂れた松月屋。歓楽極まりて哀情多しという言葉を思い起こさせる(27日=中央社)
台湾における公娼(こうしょう)制度は、日本統治時代の1896年に施行されたものを起源とする。戦後の1945年に国民党政府は風俗店の取り締まりを強化したが、売春を禁止することはできず、50年代より全土の売春店や売春婦に営業許可を取得させることで管理する方向にかじを切った。
その後、台北市では陳水扁市長(当時)主導の下、同氏の市長退任後の2001年に公娼制度が完全に廃止されたが、その他の県市では既に営業許可を取得している売春店に対し、経営者の名義変更、移転、補修などを認めないとする方針を取った。これに伴い経営者などの高齢化により廃業する店が増え、売春店は年々、減少の一途をたどった。
宜蘭県では70年代、宜蘭市と羅東鎮だけでそれぞれ3~4軒の合法売春店が営業していたが、03年には県全体で5軒に減少した。さらに昨年には最後の1軒となっていた羅東鎮の「松月屋」の女性経営者が84歳で死去。これを受けて県政府警察局は、今年1月に同店の営業許可を取り消し、宜蘭県における公娼制度の歴史が幕を閉じることとなった。
羅東鎮はかつて木材産業が栄え、当時は飲食店や風俗店が隆盛を極め、松月屋も大いに繁盛したそうだ。しかし木材産業の衰退に加え、03年以降は警察が営業許可を発給しなくなり、売春婦の高齢化とともに客足が減り、近年では1日に利用者が1人いるかどうかの状態だったという。
なお、松月屋の廃業を受けて、現在台湾に存在する合法売春店は桃園市の「天天楽」と澎湖県の「沁楽園」の2軒のみとなった。営業免許を持つ売春婦も11人に減少。最高齢の79歳を筆頭に高齢化も進んでおり、台湾で公娼制度の火が完全に消える日も遠くなさそうだ。
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