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友達・奇美が減産、需給の早期改善図る


ニュース 電子 作成日:2008年7月2日_記事番号:T00008556

友達・奇美が減産、需給の早期改善図る

 
 液晶パネル2大手の友達光電(AUO)と奇美電子(CMO)が1日、相次いで減産への取り組みを表明した。下流メーカーの在庫増加とパネル価格の下落に対応するもので、大手の減産実施は2006年10月以来、1年9カ月ぶりとなる。減産を実施した過去のケースはいずれも需給バランスの改善とパネル価格の安定に寄与しており、今回も同様の効果を期待している。2日付工商時報が報じた。
 
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後工程から着手
 
 奇美電子の何昭陽総経理は1日、後工程モジュールの生産能力利用率を既に10%引き下げたことを明らかにした。今後、在庫状況に応じて前工程の生産能力利用率を調整する可能性があるとしている。「オフシーズンの減産実施は正常な現象で、損失は大きくない。在庫削減と価格安定化がうまくいけば、第3四半期中の需給好転も可能になる」と強調した。

 最大手、友達の彭双浪執行副総経理も同日、「今後1カ月間、在庫の動向に密接な注意を払い、必要に応じて減産に取り組む可能性がある」と発言した。

損失を最小限に抑制
 
 パネルの在庫水位が高まった一部の下流ブランドメーカーが6月に発注を削減した結果、パネル価格は同月下旬から下落し、7月、8月は下落幅がさらに大きくなると予想されている。パネル2強の減産表明は、業界で景気の下降懸念が高まる中、損失を最小限に抑えて早期の回復実現を目指す意図がある。

 友達は大型パネルの出荷で世界シェア約20%、奇美は約15%で、その動向は市場バランスに強い影響力を持つ。工商時報では、「他メーカーも減産に追随する可能性が高く、産業秩序の安定に貢献する」と減産への取り組みを評価している。

 友達は04年第2四半期の業績説明会で、業界に対し減産を初めて公開で呼び掛け、翌年第2四半期に黒字転換を前倒しで実現した。06年に友達と奇美が行った減産は、07年の業界好景気を導いた。今回の減産によって、8月の段階で顧客メーカーの在庫が正常な水位に回復すれば、下半期に新たなハイシーズンに入れるという強気の予測も示されている。