ニュース 社会 作成日:2019年9月4日_記事番号:T00085595
軍人の国家に対する貢献をたたえる「軍人節」に当たる9月3日、蔡英文総統は軍を支援する企業の代表者と接見した際、「軍人が軍服を着て出歩くことを奨励している」と語った。軍服姿を見せてこそ市民の敬意を受けられるとの考えからだ。しかし、現場の兵士からは反発の声も上がっている。
蔡英文総統(中)は3日、忠烈祠で殉職者の慰霊式典に出席した(総統府リリースより)
蔡総統は、かつて米国に留学した際、街で軍服姿を見掛けることは日常的なことで、軍人を見る米国市民の目には敬意が満ちていたと語った。しかし台湾では街で軍服姿の軍人を見掛けることは非常にまれと指摘した上で、「米軍にできることは中華民国軍にも当然できる」と述べ、総統就任以来、男女を問わず軍人に軍服姿で出掛けるよう奨励していると強調した。
軍の各機関は今年の軍人節で、蔡総統の考えに応える形で「軍服着用は誇り」イベントを実施した。多くの軍関係者が軍服姿でファストフード店で食事をしたり、介護施設や教育機関での慈善活動に参加したりした。
軍関係者によると、かつて軍人は休暇中を除いて軍服着用が義務付けられており、街で軍服姿を見掛けることは多かったが、その規定が削除されたため、軍服が街から徐々に消えていったという。
軍服姿は非常に目立ち、市民の注目を集めるため、常に緊張し、振る舞いや言動に注意する必要があり、少しでも「軍人らしからぬ」行動を取れば、攻撃の的となる恐れがあることも背景にあった。ある軍人が長時間鉄道を利用した際、よだれを流して寝てしまい、隣に座っていた乗客に撮影され、インターネット上で公開された上、その後メディアにも報じられたトラブルもあった。
軍では現在、軍官学校など教育機関の生徒を除き、兵士が基地外で軍服を着用することを奨励しておらず、外部で訓練を受ける際も私服かつ個人行動で目的地へ向かうようにしている。今回の総統の発言をきっかけに、軍服姿が再び注目を集めることはなさそうだ。
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