ニュース 社会 作成日:2019年9月11日_記事番号:T00085728
教育部の統計によると、過去10年、毎年平均161人の大学生が交通事故で死亡しており、その9割以上がバイク事故だ。大学や政府がさまざまな対策を講じているが、今年も8月までに86人の大学生が犠牲となった。週2人が命を落としている計算だ。
大学生のバイク事故については、「新たに免許を取得した新入生が新車のバイクに乗る」という三つの「新」が重なっているためとの指摘がある。このため、交通大学(新竹市)、陽明大学(台北市)、仏光大学(宜蘭県)など一部大学は、新1年生には構内での駐車許可証を発行していない。
交通部は2015年より、大学構内に路線バスの停留所を設け、バイク以外の交通手段の利用を促進。17年より、大学周辺の交差点やカーブなどにセンサーを設置し、通り掛かったバイクに危険を知らせる「スマートバイク」システムの導入を推奨している。
ただ、さまざまな対策が講じられているにもかかわらず、交通事故で死亡する大学生は16年132人、17年147人、18年137人と推移している。
交通大学運輸科技・管理学系の張新立教授は、交通教育の欠如こそが問題の根源と指摘。台湾では小さい頃に交通安全の基本的な考え方を学ばないため、大学でバイクに乗るという行為は「幼少時に算数を教わらずに大学で微分積分のテストを受けるようなもの」と警告した。
台北市政府交通局元局長の林志盈氏は、新入生への駐禁令は校外にとめればいいだけの話と、効果に疑問符を付けた。台湾では「バイクはバランス感覚さえあれば乗れる」と認識されており、免許取得試験では技術が偏重され、事故から自分を守るための防衛運転の考え方が欠けていると強調。免許制度に問題があるとの見方を示した。
大切に育ててきたわが子を一瞬にして亡くし、絶望に暮れる親が少しでも減るよう、議論を尽くして有効な手だてを講じてほしいものだ。
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