ニュース 社会 作成日:2019年9月16日_記事番号:T00085786
台湾一の名門病院、台湾大学医学院附設医院(台大医院)の整形外科の名医に母親を診察してもらうため、陳さん(男性、28歳)は、最終バスに乗って午前0時半に台大医院に到着。さすがに一番乗りだろうと思っていたが、何と先客が4人もいた。同病院は今月より、軽症患者の受診を減らすため、予約が埋まった際に追加で診察を受け付ける対象者を、紹介状を持った患者のみに限定したことで、ただでさえ難しい現場での診療予約がさらに困難になっている。
9月10日、まだ未明の同病院には、診療予約に来た人の列ができていた。一番乗りの人は一昨日の午後から並んでいるとのことで、病院の入り口に寄り掛かって居眠りをしていた。2番目の白髪の男性は予約代行業者で、3人分の予約で1人当たり1,000台湾元(約3,500円)、2人分ならば同1,500元を徴収する。自分は安い方で、2,500元を要求する業者もいると話した。
4番目に並んだ女性の林さんは、長年、変形性脊椎症の痛みに苦しむ母親を台大医院の名医に見せるため、休暇を取って台東から電車でやって来た。本来ならば台東で治療したいところだが、もし悪い医者に当たればたまらない。高血圧症の近所の住人が、台東の医者が投与薬を間違えたため入院し、台大医院に転院した後に症状が改善したのを見て、母のためなら一晩病院前で明かしてもよいと考えて台大医院を選んだ。
守衛が診療科別に予約を行うよう呼び掛けた午前5時41分、列に並んだ人は100人を超えていた。仮に前の方の予約番号をもらえても、医師が「きょうは外来予約の患者の診察は1人だけ」と決めてしまえば、2番目以下の人は改めて来院しなければならない、つらいシステムだ。
台大医院も現状に頭を痛めており、インターネット予約を利用することや、最初は提携病院、地域の診療所で診察を受けることを勧めている。ただし、台湾の大病院信仰は根深く、患者が長年の習慣を改めるのには時間がかかりそうだ。
インターネット予約も、例えば現在最も予約が難しい小児科では、人気の医者の場合、数秒で診察枠が埋まってしまうという。
衛生福利部中央健康保険署(衛福部健保署)の李伯璋署長は「どれだけ優秀な病院であっても、医師は神ではない」と苦言を呈し、患者に自分の症状の程度に合った病院で診察を受けるよう呼び掛けた。医学センターを持つ最高レベルの病院は、できる限り急患や重症患者に対応できることが必要との認識だ。
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