ニュース 社会 作成日:2019年9月17日_記事番号:T00085810
近年台湾を悩ます汚染物質PM2.5(微小粒子状物質)について、国家衛生研究院(国衛院)が台北、花蓮、嘉義、高雄の4都市の高齢者を対象に調査を行ったところ、嘉義が最も数値が悪かった。嘉義は住居内外での1日当たり濃度は74.9~81.7マイクログラム/立方メートル(μg/m3)で、調査対象者の75.9%が住居内で焼香し、63%が交通量の多い道路脇に住み、22%が食堂や工場近くに住んでいた。高齢者は家に居る時間が長いため、PM2.5の濃度が高いのは主に仏壇での焼香などの生活習慣が要因と考えられる。
住宅内外での濃度は▽高雄、64.4~64.9μg/m3▽台北、33.4~42.3μg/m3▽花蓮、31~34μg/m3──で、北部、東部に比べて中南部が悪いという結果となった。高雄の場合、汚染源の25%を鉄鋼製造業、交通が占める。
調査に当たった台湾大学医学院の郭育良教授は、普段も台所の油煙、たばこ、線香などの煙に注意し、深刻な際はマスクをするよう呼び掛けている。ただ、環境保護団体、台湾健康空気聯盟の葉光芃理事長は、自宅での焼香によってPM2.5の濃度が大幅に上昇するとの指摘は疑問として、環境そのものの汚染による影響が排除できないとした。
国衛院はまた、65~80歳の高齢者4,818人を対象とした調査で、PM2.5の濃度が高いことで筋肉量が減少、脂肪量が増加し、肥満が引き起こされるとの研究結果を初めて発表した。濃度が0.1μg/m3上昇するごとに、筋肉量は年間0.2%減り、脂肪量は0.28%増えるという。PM2.5が体内で引き起こす炎症反応で筋肉の生成や内分泌、代謝に悪影響を及ぼすことが原因とみている。
国衛院はPM2.5汚染が深刻な中南部を大気汚染の管理地域に指定するよう呼び掛けた。一方、行政院環境保護署(環保署)によると、台湾全土のPM2.5の平均値は2015年の22μg/m3から昨年は17.5μg/m3に改善している。目標は23年に15μg/m3を実現することで、同署は引き続き努力すると表明した。
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