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脂肪肝が増加、罹患者600万人説も


ニュース 社会 作成日:2019年9月18日_記事番号:T00085834

脂肪肝が増加、罹患者600万人説も

 衛生福利部中央健康保険署(衛福部健保署)の統計によると、医師によって「脂肪肝」と診断された台湾市民の数は過去3年間で20%近く増加した。専門家は、潜在的な罹患(りかん)者は15歳以上人口の3分の1に当たる600万人に上ると指摘。肝臓がんに進行したり、心筋梗塞を引き起こしたりする可能性もあるとして注意を呼び掛けている。

 林口長庚紀念医院の林俊彦内科主任は、脂肪肝とは肝細胞に含まれる脂肪の量が5%を超えた状態を指し、飲食文化の西洋化や糖分の取り過ぎによる肥満、高血圧、高血糖、高血中脂質に関連が深いと説明した。

 肝硬変と診断された台湾市民の数は過去3年間で14万2,000人から、14万8,000人、16万6,000人へと約17%増加。詳細を見ると女性より男性の方が多く、患者の70%近くを40~69歳が占めた。

 なお、全民健康保険向け書類に医師が書き込む病名欄には限りがあり、脂肪肝は記入が必須の病気ではないため、実際の罹患者数は統計を上回ると推測される。

 肝病防治学術基金会で総執行長を務める楊培銘・台湾大学医学院名誉教授は、市民の約3分の1が脂肪肝の状態だと指摘し、昨年末時点の台湾の総人口、約2,300万人から15歳以下の300万人を差し引いた場合、軽度~重度の脂肪肝罹患者は600万人に上るとの推計を示した。

 脂肪肝は、少数ながら肝繊維症、肝硬変、肝臓がんと進行する恐れがある他、心筋梗塞など心血管疾病にかかるリスクも高まるため、医師は軽度と診断された場合でも軽視せず、経過を注視するよう呼び掛けている。

 なお、脂肪肝の改善には肉類や揚げ物類の摂取を控えさえすればよいと多くの市民が考えがちだが、糖分を含む飲料やケーキなども、肝臓内で脂肪に変わり蓄積される。基隆長庚紀念医院の江坤俊医師は、一般的な果汁も繊維質を取り除けば残りは果糖で、毎日飲み続ければ脂肪肝が深刻化し、肝臓がんへと進行するリスクが高まると指摘する。

 脂肪肝の解消には、バランスの取れた食事と運動が重要だそうだ。中秋節(旧暦8月15日、今年は9月13日)には、恒例の焼き肉、甘い飲料、脂肪分と糖分の両方を含む月餅の「脂肪肝セット」を堪能した方も多いだろう。今後しばらくは節制した方がよさそうだ。