ニュース 電子 作成日:2019年9月19日_記事番号:T00085840
ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は、5ナノメートル製造プロセスの量産を来年3月に始められる見通しだ。従来は「来年上半期中」としていた。3ナノの研究開発(R&D)の進度は予定以上で、2ナノにも着手するなど、先進プロセスの開発をさらに加速する構えだ。19日付工商時報などが報じた。
劉董事長は、消費者の誰もが量子コンピューターを持ち歩く時代が訪れた際に、TSMCは必ず存在感を示すと強調した(18日=中央社)
劉徳音(マーク・リュウ)董事長は18日、量産2年目に入った7ナノプロセス製品の累計生産量が12インチウエハー換算で100万枚以上に達し、車載用にまで応用先が拡大したと説明した。5ナノは試験生産を完了して量産準備に入った段階で、来年は生産能力の拡充を進める。5ナノについて黄漢森(フィリップ・ウォン)研究開発副総経理は、極端紫外線(EUV)リソグラフィー技術の採用を拡大し、業界最高の性能とトランジスタ密度を実現したと指摘した。
現在、研究開発の軸足は3ナノに移しており、2ナノも専門チームによる研究計画策定を始めた。
トランジスタ密度が新指標へ
黄研究開発副総経理は、「ムーアの法則」(半導体の集積密度は18~24カ月で倍増する)は依然有効で、3・2ナノの他、1.4ナノや1ナノの研究開発も進めると述べた。
ただ劉董事長は、微細化だけが半導体の製造プロセスの進歩ではないと強調。3次元集積化(3DIC)やクラウド上での設計など、トランジスタ密度や演算能力が指標となると指摘した。黄研究開発副総経理も、トランジスタ密度と機能性の向上の他、ロジックICとメモリーの統合、システムレベルの半導体のヘテロ接合といったイノベーションの拡大を、先進プロセスと組み合わせていくことで収益につなげると説明した。
産業全体で地位確立
劉董事長はまた、台湾半導体産業の今後60年の方向性について、▽技術開発の強化、および設計、製造、パッケージング(封止)、材料など業界チェーン統合の推進▽産官学の密接な協力による付加価値向上▽グリーンエネルギーによる製造の推進▽人工知能(AI)や第5世代移動通信(5G)分野での応用加速──を挙げ、台湾業界は世界にとって不可欠なビジネスパートナーになると表明した。
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