ニュース 社会 作成日:2019年9月20日_記事番号:T00085887
最近利用者が増えているfoodpanda(フードパンダ)やUber Eats(ウーバーイーツ)などのオンラインフードデリバリー代行サービスは、業務委託を受ける配達員の中に月10万台湾元(約35万円)を稼ぐ者もいると話題で、転職者が急増している。しかし毎日長時間、ほぼ休みなく働いても10万元は困難な上、労工保険や全民健康保険の保障を受けられないことから、早々に「撤退」する者も多いようだ。
台南での労働組合設立を呼び掛けるコメント。台北や台中などでも同様の動きが広がっている(靠北熊猫FBより)
同サービスは、提携飲食店のメニューを消費者がモバイルアプリで注文し、配達員がバイクなどで届ける仕組み。配達員は1件当たり数十元の配送手数料を受け取る。
高収入を得る配達員がいるとのうわさがたびたび伝えられること、運転免許とバイク、スマートフォンさえあれば始められることから志望者が相次いでいる。30歳のAさんは半年前、友人から「月8万元以上稼げる」との言葉を聞き、フードパンダの配達員に応募した。その日の応募者は30人ほどいたが、業務委託契約を勝ち取ったのはAさんを含めて3人で、いずれも道路状況に詳しい、駐車スペースの請求書配布員の仕事をしていた。
フードパンダの場合、配達手数料は1件70元が基本で、1カ月に100件以上配達した場合は1件当たり90元、200件以上配達した場合は1件当たり100元と、働けば働くほど単価が高くなる。最高額は1件120元の設定だ。
大幅な収入アップを目指したAさんは、週6日、毎日12~14時間働き、多い時には1日60~70件の配達を請け負った。しかしどれだけ奮闘しても月収は6万~8万元程度にとどまった。
配達員の中には、急いで配達しようと信号無視やスピード違反を犯す者も多い。またフードパンダは、配達員との関係は雇用ではなく業務委託のため、労工保険や全民健康保険に加入させる義務はないとしており、事故に遭った場合でも保障が受けられない。
こうした条件でも新しい配達員は増える一方で、競争率が激しくなり、配達員1人当たりの業務量は徐々に減少している。Aさんは思ったほど収入が得られなかったことから、結局4カ月ほどで配達員を辞め、請求書配布員に復帰した。
フードパンダから搾取されていると感じる配達員は多いようで、同社の配達員が開設したフェイスブック(FB)のコミュニティーページ「靠北熊猫」には不満の言葉が並ぶ。同ページには「台南で労働組合設立の準備に着手した」とのコメントも寄せられており、今後労働条件の改善に向けた動きが強まりそうだ。
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