ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

京華城、高級オフィス商業施設に転換


ニュース 商業・サービス 作成日:2019年9月26日_記事番号:T00085978

京華城、高級オフィス商業施設に転換

 台北市松山区のショッピングセンター(SC)、京華城購物中心(リビング・モール)は25日、4回目の売却入札で、京華城を運営する威京総部集団(コアパシフィック・グループ)傘下の中国石油化学工業開発(CPDC、中石化)が落札した。京華城は11月末で18年間にわたる営業を終了する。2023年に19階建ての高級オフィス商業施設4棟に生まれ変わる予定だ。26日付経済日報などが報じた。

/date/2019/09/26/00top1_2.jpg京華城は特徴的な外観で、ガイドブックに取り上げられる観光スポットでもあった(25日=中央社)

 業績不振が続いていた京華城は昨年、土地・建物を売却することを決定し、昨年12月、今年3月、6月と売却入札を実施したが、不調に終わっていた。

 今回、CPDC完全子会社の鼎越開発が372億1万台湾元(約1,290億円)で落札した。敷地面積は約5,000坪で、1坪当たり746万元。興富発建設(ハイウェルス・コンストラクション)も応札したが、入札金額は約300億元と、最低制限価格342億元を下回った。

 京華城の筆頭株主はCPDCで出資比率37%。2位株主は同じく威京総部集団の中華工程(BESエンジニアリング)で出資比率23.5%。

 CPDCは、台北市はA級(高級)オフィスが供給不足で、完成後は売却する方向だが、賃貸もあり得ると説明した。

/date/2019/09/26/00top2_2.jpg陳頴俊CPDC副総経理は、台北市のオフィス市場動向を考えて入札を決断したと説明した(25日=中央社)

 不動産コンサルティング会社、瑞普萊坊(リプロ・ナイトフランク)市場研究顧問部の黄舒衛総監は、高級オフィスなら賃料は1坪当たり月3,500元と、周辺の相場2,000元より高くなり、不動産取引が活発化すると予想した。

競争激化で淘汰

 京華城は現在、最後の周年慶(創業祭)セールの最中だ。営業終了を経て来年、地上の建物を解体する。地下部分をそのまま保存することで、解体工事は9~10カ月と、通常より1年以上短くなる見通しだ。

 京華城は01年11月にオープンし、地上12階、地下7階建て、延べ床面積6万2,000坪。入居テナントは200社以上、レストランや映画館も備える台北市で最大の商業施設として当時注目され、初年の売上高は80億元近く、最高で1日当たり延べ50万人が訪れた。近年、信義計画区や中山商圏が百貨店の集積効果で活気づき、郊外の大型SCが人気を呼ぶ中、京華城は交通の便が悪く、館内の動線も複雑で、来店客を呼び戻せず、昨年売上高は50億元まで落ち込んでいた。

 京華城の投資額は240億元だった。現在の従業員120人は解雇となる。