薄膜太陽電池の生産に向け、昨年工場建設に着手した、太陽電池用シリコンウエハー最大手の緑能科技(グリーン・エナジー・テクノロジー)は、いまだ量産に入っていないにもかかわらず、6月にドイツで行われた太陽エネルギー産業の展示会「インターソーラー 2008」において、合計200メガワット(MW)、総額約200億台湾元(約700億円)の受注を獲得した。これは緑能が量産当初に予定している生産能力30MWの6倍以上の受注量となり、同社では速やかに第2ラインの設置に入る考えだ。3日付経済日報などが報じた。
緑能の薄膜太陽電池生産設備は、米アプライド・マテリアルズ社の機器を採用しており、製品面積は第8.5世代パネルに相当し、現在のところ業界最大規格を誇る。
緑能の林和龍総経理によると、今年は第4四半期に第1本目となる生産ラインで量産に入り、来年は生産能力を50MWまで引き上げたいとしている。供給不足となる問題については契約内容を含め、今後顧客と協議していくとしている。
また、益通光能(イートン・ソーラー)と光宝科技(ライトン・テクノロジー)が合弁で設立した薄膜太陽電池メーカーの宇通光能も、「インターソーラー」期間中に60MWの供給契約を交わした。これは9月に設置を予定している第1生産ラインの生産能力と同等の受注量で、同社では第2生産ラインを前倒しして年末にも量産に入りたいとしている。