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受動部品の受注回復、5G商機も期待


ニュース 電子 作成日:2019年9月27日_記事番号:T00086008

受動部品の受注回復、5G商機も期待

 昨年第4四半期以降、低迷状態にあった受動部品業界で、コンシューマーエレクトロニクス向けの受注が活気を取り戻している。最大手の国巨(ヤゲオ)は今年第3四半期の受注量が前期比1~2割増加し、稼働率が10ポイント上昇した。今後は、第5世代移動通信(5G)向け商機でさらなる活況が見込まれる。27日付経済日報などが報じた。

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 ヤゲオは26日、スマートフォンやノートパソコンなどコンシューマーエレクトロニクス向けの受注が最近回復していると指摘。現在の受注見通しは8週と、以前の2倍に伸びており、一部の受注は第4四半期に繰り下げたと説明した。例年、第4四半期は非需要期のため前期比約1割の減収となるが、今年は横ばいも期待できるという。

 同業の華新科技(ウォルシン・テクノロジー)も、受注見通しが2カ月先まで立っており、今年最も好調と表明した。

 業界では、「0805」「0603」など大型積層セラミックコンデンサー(MLCC)は生産メーカーが少なく、第3四半期に供給逼迫(ひっぱく)が伝えられた。その後、アップルのスマホ「iPhone11」シリーズや中国ブランドによる新機種発売、米国の対中制裁関税発動前の駆け込み需要で、スマホ向けの「0201 104」「0201 105」の他、コンシューマーエレクトロニクス向け汎用(はんよう)型の「0402 104」「0402 105」「0402 475」も供給不足になっているという。特に「0402 104」は各種製品への応用が可能で、供給不足が最も顕著だ。

 証券会社は、需要の回復に伴い、 MLCCの第4四半期オファー価格の下落幅は約3%と、第1四半期の30%から大幅に縮小すると予測。一部の汎用型製品は、10月にも価格が上昇に転じるとみている。在庫水準は低下しており、受動部品業界は既に底打ちしたとの見方を示した。

5Gスマホで大幅増

 受動部品メーカーは今後、5G対応スマホや通信設備、車載向けの商機に期待を寄せており、2020年にも受動部品が大規模な供給不足に陥る可能性もあるとみている。

 世界で15億台の買い替え需要が見込まれる5Gスマホは、MLCCの使用量が4Gスマホとの比較で少なくとも2割増える。また、5Gは電波の到達距離が短いため、通信設備向けの需要も4Gの2倍に達する見通しだ。

【表】