ニュース 社会 作成日:2019年9月30日_記事番号:T00086068
29日、台中洲際棒球場(台中インターコンチネンタル野球場、台中市北屯区)で行われたプロ野球、中信兄弟(チャイナトラスト・ブラザーズ)・対・富邦悍将(富邦ガーディアンズ)の試合後、中信兄弟の彭政閔選手(41)の引退セレモニーが行われた。2万人を超えるファンが「恰恰(同選手の愛称、チャチャ)」との別れを惜しんだ。
彭選手は、涙で声を詰ませながら引退を宣言した(29日=中央社)
2001年にプロ野球入りした彭選手は、台湾初のメジャーリーガー、陳金鋒氏(16年引退)や通算本塁打と打点で台湾歴代首位の張泰山氏(18年引退)といった同世代の選手ほどの長打力はなく、盗塁王になるほどの走力も備えていなかった。しかし持ち前の選球眼とミート力に加え、才能を補う努力の結果、首位打者のタイトルを5回獲得。10年にはMVPにも選ばれるなどスター選手の仲間入りを果たした。
通算成績は安打数2,042本、打率3割3分3厘、本塁打192本、盗塁231個。1,000本安打、100本塁打、200盗塁を同時に超えたのは台湾球界で彭選手だけだ。
彭選手は真面目な人柄で、前身の兄弟象(兄弟エレファンツ)時代から一度も他球団へ移籍しなかったため、ファンからの信頼が厚かった。オールスターゲームにはデビュー年から19年連続で選出され、今年まで15年連続で最多得票を獲得した。
それほど絶大な人気を誇る選手が引退するとあって、29日の試合は入場者数2万223人を記録。一選手の引退試合としては過去最多を更新した。
この日、彭選手は5番・DHとして試合に出場したが、3打数ノーヒットに倒れた。試合後の会見では、日本球界で同じく今季限りの引退を表明した阿部慎之助選手(読売ジャイアンツ)が先ごろの引退試合で本塁打を放ったことを引き合いに出し、「彼のようにドラマチックな一打を打ちたかったがだめだった」と笑った。
試合後のセレモニーでは父親、プロ入りした年にコーチを務め、恩師として慕う榊原良行氏、チームメートとともにリレー方式でダイヤモンドを一周し、ホームベース上で待っていた妻の呂冠琦さんから花束を受け取った。また式の途中、オーナーの辜仲諒氏が「引退しないでくれないか」と懇願し、会場全体から大歓声が上がる場面もあった。
なお中信兄弟は現在、リーグ戦後期あと4試合を残した状態で2位に3ゲーム差の首位を走っており、優勝すれば、前期優勝のラミゴ・モンキーズと対戦する台湾シリーズ出場が決まる。彭選手は「チーム一丸となって台湾一を目指す」と語っており、引退に花を添えることができるか注目されている。
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