ニュース 社会 作成日:2019年10月1日_記事番号:T00086092
台風18号(アジア名・ミートク)が台湾に接近していた29日夜、北部の各県市が一斉に30日は公共機関・学校を休みにする「停班停課」の措置を取ると発表する中、新竹市は北部で唯一、同措置を取らないことを決定した。共同生活圏を形成する新竹県と新竹市で判断が分かれる形となり、両地域にまたがる新竹科学工業園区(竹科)などでは混乱が生じ、多くの市民から「県市で統一して対応してほしい」と不満の声が上がった。
新竹県の楊文科県長(国民党)は当初、交通部中央気象局や県政府消防局からの情報を基に、30日は通常通りの出勤・登校日とする方針だった。しかし、五峰郷や尖石郷といった県山間部の住民に配慮し、29日午後10時ごろに「停班停課」措置を取ると発表した。
一方で同じごろ、新竹市の林智堅市長(民進党)は気象局と消防局が予測した数値が「停班停課」措置の基準に達していないことを理由に、30日は通常通りの出勤・登校日とすると発表した。
これまで台風による「停班停課」措置については両県市が足並みをそろえてきたため問題は生じなかったが、今回、20年ぶりに判断が分かれた。
台湾有数の半導体産業集積地の竹科は、その面積の3分の2を新竹市、残り3分の1を新竹県が占める。このため、同じ園区内でも出勤日とする企業と、休業する企業が出た。
ファウンドリー最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は、工場エリアが両県市にまたがるが、新竹市の決定を基に30日は出勤日とした。一方、会社の正門が新竹市に、オフィス・工場が新竹県に位置するIC設計大手の瑞昱半導体(リアルテック・セミコンダクター)は従業員の安全を考慮し、休業を決めた。
この他、30日に休暇となった新竹県民がこれを機に用を済ませようと、営業している新竹市の郵便局に押し寄せ、業務が滞ると行った問題も発生した。
2年前にも一度、両県市で「停班停課」の判断が分かれたことがあったが、生活圏を同じくすることを考慮し、新竹県が決定を変え、混乱は生じなかった。新竹市は結局、30日昼前に、同日午後6時からの「停班停課」を決めた。
今回、両県市の首長が十分なコミュニケーションを取り合っていなかったようで、今後は市民の立場に立ち、協力して判断してほしいものだ。
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