南方澳大橋の崩落、腐食が原因か


ニュース 社会 作成日:2019年10月2日

南方澳大橋の崩落、腐食が原因か

記事番号:T00086098

 宜蘭県南方澳漁港の大型連絡橋、南方澳跨港大橋が1日突然崩落し、5人が死亡した事故の原因について、橋梁(きょうりょう)を支えるワイヤ13本のうち1本が腐食によって断裂したためとの見方が複数の土木専門家から出ている。道路インフラに対する不安感が高まる中、蔡英文総統は、事故原因の究明とともに、全土の老朽化した橋梁を早急に点検するよう指示した。2日付自由時報などが報じた。

/date/2019/10/02/00bridge1_2.jpg崩落した南方澳大橋。台湾のインフラに対する不安感が改めて広がった(2日=中央社)

 台北市土木建築学会の余烈理事長は、南方澳大橋は全体に張り渡したアーチ部材がワイヤ13本を介して500トン近い橋梁を支える構造と説明。写真の右から6本目のワイヤがアーチ部材との接続箇所で切れ、橋梁が崩落したと指摘した。原因として溶接や剪断(せんだん)強度の不足、長年の車両通行による負荷などが考えられると語った。他の専門家からは、海風に長年さらされて腐食したとの見方が出ている。

点検不備の人為ミスか

 南方澳大橋の保守管理を担当する港湾運営会社の台湾港務(TIPC)の王派峰行政副総経理は、交通部の指示を受け、外部の専門家を含めた事故調査委員会を設立すると表明した。

 王副総経理はまた、南方澳大橋は毎年のメンテナンス、4年ごとの点検を行っており、2016年に健行科技大学が点検した際にワイヤの腐食を発見したが、17~18年に1,000万台湾元(約3,500万円)を投じて改善したと説明した。ただ、TIPCが発表した文書では、ワイヤの腐食に触れられておらず、検査レポートも公表されていない。 南方澳大橋は宜蘭県政府が施行し、1998年6月に完成した。台湾で唯一の鋼アーチ橋だ。

 鋼材の合金鋼は耐候性(たいこうせい)が高いが、強度はあまり強くないとされる。

死者5人、行方不明1人

 死者5人と行方不明1人はインドネシアとフィリピン籍の船員。橋から転落した台湾中油(CPC)のタンクローリーの運転手(61)をはじめ負傷者は10人。

 橋に押しつぶされた漁船3隻の所有者は同一で、建造費は計1億元以上とみられている。

/date/2019/10/02/00bridge2_2.jpg南方澳漁港内の漁船約600隻が橋崩落で出漁できなくなっており、蔡総統(中)は4日以内に問題を解決したいと語った(1日=中央社)