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媚日派批判受けた呉外交部長、沼田代表が擁護


ニュース 社会 作成日:2019年10月2日_記事番号:T00086119

媚日派批判受けた呉外交部長、沼田代表が擁護

 日本台湾交流協会台北事務所の沼田幹夫代表が先日、今月中旬の離任を前に外交部から「特種外交奨章」を授与された。その際贈呈された記念品のオブジェに、呉釗燮外交部長名義で「最高に敬愛する大哥哥(お兄ちゃん)」とのメッセージが記されていたことが明らかとなり、野党から呉部長に対し「媚日派」との批判の声が上がった。

/date/2019/10/02/19kakomi_2.jpg沼田代表(左)と蔡英文総統(右)。次世代の日台関係のさらなる発展にも期待したい(1日=中央社)

 沼田代表は2014年7月の着任以来、同協会の名称を「交流協会」から「日本台湾交流協会」に変更したり、「日台海洋協力対話」のメカニズム構築の他、20項目に及ぶ協力協定の締結に尽力した。

 外交部の欧江安報道官によると、呉部長と沼田代表は個人的に非常に親しく、呉部長は年長者の沼田代表を「哥哥(兄さん)」と呼んでいたそうで、今回の「大哥哥」という言葉は、2人の間の気のおけない関係から出たものとみられる。

 しかし、野党・国民党の立法委員からは「外交儀礼上で大哥哥という言葉はほとんど見たことがなく、呉部長の姿勢は卑屈で日本に過度に媚(こ)びるもの」「個人の贈り物なら問題ないが、公的機関が贈呈する記念品の場合、国家としての立場を考慮すべき」といった批判が出た。

 こうした中、1日に総統府からも台日関係の強化に貢献したとして「大綬景星勲章」を授与された沼田代表はあいさつの中で、呉外交部長に対する批判について言及し、「私には台湾に最高に敬愛する大哥哥と小弟弟(年少者に対する親しみを込めた呼び方)が2人ずついる」と語った。2人の大哥哥は国家安全会議(国安会)の李大維秘書長と台湾日本関係協会の邱義仁会長、2人の小弟弟は呉部長と国安会の林成蔚諮問委員と明かした上で、「私は明日の新聞で『媚台派』と書かれるかもしれない」と語り、遠回しに呉部長を擁護したのだった。

 なお、日本メディアの記者からは「大哥哥という言葉はくだけ過ぎだが、両者の親しい関係がうかがえ、特に問題ではない」「沼田代表は典型的な外交官とは異なる型破りなスタイルで知られ、このような記念品を受け取ってうれしかったようだ」と、良好な関係の表れとの指摘が出ている。