グラフィックIC大手の米エヌビディア(NVIDIA)は2日、ノート型パソコン(ノートPC)向けチップに欠陥が見つかったと発表した。同社製品の生産に関与する台湾企業が損害賠償を求められる事態も予想され、業績への影響が懸念される。
4日付電子時報などによると、エヌビディアは判明した欠陥について、チップと基板の連結部分に問題があり、画像処理ユニット(GPU)などの故障を招く恐れがあると説明している。同社は修理、交換などの費用として1億5,000万~2億米ドルの費用計上を見込んでいる。
同社は損害賠償の請求対象を明らかにしていない。しかし、台湾では台湾積体電路製造(TSMC)、日月光半導体(ASE)、矽品精密工業(SPIL)などが受託加工を担当しており、事態の推移を注意深く見守っている。
業界内では欠陥の原因がボンディング工程にあるとの見方も出ている。また、基板メーカーの全懋精密科技(フェニックス・プレシジョン)の薄膜付着技術、南亜電路板(NYPCB)の塗装技術に問題があったとの観測もある。いずれも可能性が指摘されているにすぎず、エヌビディア側が今後どのような情報を発表するかに注目が集まっている。
TSMCは3日、「今回の問題は非常に複雑で、多くの企業が関係している。関連企業が共同で対応を協議している」として、詳細なコメントは避けた。また、現時点で第2四半期の業績見通しに変更はないとした。エヌビディアは主要取引先に含まれるため、TSMCの株価は3日にストップ安を記録した。
ASEは「現在コメントを行うのは不適切だ。交渉結果を待ちたい」としている。SPILは「状況を整理した上で、必要があれば説明を行う」とコメントした。