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台湾初の洋上風力発電所、年末稼働へ


ニュース 公益 作成日:2019年10月7日_記事番号:T00086198

台湾初の洋上風力発電所、年末稼働へ

 台湾初の洋上(オフショア)風力発電所となる苗栗県竹南鎮沖の「海洋風電(フォルモサ1)」が、10月末に完工、年末に稼働を迎える。洋上風力発電所の設備容量は2025年に計5.7ギガワット(GW)に達する予定で、台湾の電力不足問題の解消への貢献が期待される。6日付経済日報などが報じた。

/date/2019/10/07/00top_2.jpg工事完成まで秒読み段階となったフォルモサ1。発電機は最大で風速70メートル下での稼働に耐える(5日=中央社)

 フォルモサ1は、第1段階の発電容量8メガワット(MW)分が16年10月に完工、17年4月より稼働し、台風にも耐えられることを確認した。第2段階の120MW分の施工が今月末に完了し、発電容量は計128MWとなる。一般家庭12万8,000戸分の使用電力を供給する。

 第2段階の発電機の試運転は9月5日に始まっている。同発電所に35%を出資するデンマークのエルステッドによると、テストに1基当たり10~14日かかり、全20基で2カ月を要する。テスト完了後、年末までに経済部から発電業の認可を受け、稼働に移る。

 経済部は、フォルモサ1は台湾の洋上風力発電の発展に指標的な意義を持ち、開発を通じて、関連の法令や政策が整い、技術向上につながったと指摘。洋上風力発電が台湾に根付き、電源構成に加わると説明した。政府は25年に脱原子力発電を達成し、洋上風力発電を含む再生可能エネルギーの電源構成比を20%に引き上げる計画だ。

来年は3カ所稼働へ

 フォルモサ1に続いて、台湾電力(台電、TPC)が手掛ける彰化県大城郷沖の洋上風力発電所が来年末の稼働を予定している。全21基で、発電容量は110MW。

/date/2019/10/07/00_2.jpg

 この他、苗栗県竹南鎮沖の「海能風電(フォルモサ2)」と、独wpdが雲林県沖で進める允能発電所も、来年中に稼働する計画だ。フォルモサ2の発電容量は378MW、允能発電所は360MWで、いずれも独シーメンスの発電機を採用した。開発が全て順調に進行すれば、来年、洋上風力発電の発電容量は848MW増加する。

 5日にフォルモサ1の現場を視察した曽文生経済部次長は、25年段階での洋上風力発電の設備容量5.7GWの達成と、200億キロワット時(kWh)以上の発電実現に強い自信を示した。

【表】