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立法院が馬総統に反旗、監察院副院長人事を否決


ニュース 政治 作成日:2008年7月7日_記事番号:T00008621

立法院が馬総統に反旗、監察院副院長人事を否決


 立法院は4日、監察院正副院長の同意人事案に対する採決を行い、就任が確実視されていた副院長候補の沈富雄元立法委員(無所属)の同意人事案が否決される番狂わせがあった。投票が党議拘束をかけない自主投票となった結果、与党勢力の立法委員50人以上が反対票を投じたことが原因だ。馬英九総統による人選に「ノー」を突きつけたことになり、馬総統と立法院の不協和音が一気に表面化した。
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久々に地方への「ロングステイ」に出た馬総統。「事前に立法委員たちとコミュニケーションをとっていれば」と率直に反省の言葉を述べた(6日=中央社)
 
 沈元立法委員は民進党を離党した経歴があるものの、馬総統による強力なバックアップを受け、同意人事案は順当に承認されるとみられていた。国民党が絶対多数を占める立法院で沈元立法委員の同意人事案が否決されたことで、馬総統が立法院を掌握できていないことが図らずも露呈した。

 院長候補の王建煊・元財政部長に対する同意人事案は可決されたが、与党から少なくとも6票の反対票が出た。

 5日付中国時報によれば、与党立法委員は「国民党議員が馬総統に不信任票を投じたものだ」と指摘した。別の立法委員は「馬総統は候補の人選を立法委員に諮らなかったばかりか、国民党議員団と一線を画そうとした。当然支持は得られない。もし馬総統が立法委員に電話でもかけていれば、こんな開票結果は出なかった」と不満を述べた。

 伏線は3月の総統選にあったとの見方がある。親民党の宋楚瑜主席は総統選で馬英九候補を全力で支援することや立法委員選の小選挙区で候補擁立を見送る見返りとして、総統選挙後に親民党系の人材を登用することを国民党の呉伯雄主席に求めたとされる。

 しかし、馬総統は監察院正副院長の顔ぶれから親民党系の人材を排除し、国民党内からも総スカンを食った。立法院の国民党議員団は通常当然承認すべき同意人事案に党議拘束をかけず、反対票を投じることを黙認した。そうした意味で、沈元立法委員は資質が問題されたのではなく、国民党の内部対立の犠牲になった側面が大きい。