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UREが水素バイク、来年にも市場投入


ニュース 自動車・二輪車 作成日:2019年10月8日_記事番号:T00086223

UREが水素バイク、来年にも市場投入

 太陽電池モジュール最大手、聯合再生能源(ユナイテッド・リニューアブル・エナジー、URE)は7日、水素燃料電池バイクを披露した。同社は、不況の太陽電池事業から新事業への転換を図っており、3社合併・発足1年での新たな成果となる。今後、水素バイク関連の法令整備を待ち、来年にも3万台湾元(約10万4,000円)以下の低価格でバイク市場に挑戦する構えだ。8日付工商時報などが報じた。

/date/2019/10/08/00top_2.jpg走行中に水しか排出しない水素バイクは、大気汚染対策の切り札になり得る(7日=中央社)

 公開したのは50cc相当の普通軽型(緑ナンバー)水素バイクと、125cc相当の普通重型(白ナンバー)水素バイクの2車種。普通重型バイクは、最高時速90キロメートル、走行可能距離100キロの性能を誇る。設計と組み立ては傘下の昱成光能(ユーテック・ソーラー)が担当し、部品はサプライチェーンから供給を受けた。

 UREの潘文輝執行長は、台湾のバイク年間販売台数は85万5,000台で、サプライチェーンも整っており、水素バイクの発展に有利と指摘。ただ、市場の形成は関連法令の整備を待たなければならないとの見方を示した。

 同社はまた、水素バイクの製造工程を含む二酸化酸素などの総排出量は、電動バイクの3分の1、ガソリンバイクの20分の1にすぎないと、優位性をアピールした。ドローン(無人無人機)や船舶での応用も見据える。

エネルギー貯蔵システム輸出

 同社はこの他、家庭用エネルギー貯蔵システム製品で、欧米、オーストラリアなどの市場に参入したと明らかにした。リチウム電池の電源モジュールでは欧州市場に注力する。また、無停電電源装置(UPS)や産業用エネルギー貯蔵システムも手掛けており、コンテナ型の産業用エネルギー貯蔵システムはエネルギー貯蔵システムの安全性に関する「UL9540」認証を獲得した。

 UREは、昨年10月に太陽電池大手3社合併により誕生した。洪伝献董事長は、事業統合の進度は半年遅れだが、既に軌道に乗ったと明らかにした。ただ、減価償却費の計上による赤字が続き、黒字化は2~3年先との見通しを示した。

太陽電池、モジュールへ転換

 同社は太陽電池関連事業では、紅色供給網(レッドサプライチェーン)との価格競争リスクを避けるため、太陽電池の製造規模を縮小し、モジュールや発電所事業への転換を図っている。外注量も増やした。

 同社の年産能力は、太陽電池2.3ギガワット(GW)、モジュール1GWまで減少した。ベトナム、タイ、中国への外注が、太陽電池とモジュールで各600メガワット(MW)を占めている。また、太陽光発電所事業の設置規模は昨年748MWに上り、今年は1.2GW、来年は2GW規模を予定している。今年上半期の売上高は、モジュール事業で前年同期比52%増、発電所事業は208%増の成長を見せた。

 来年の太陽電池市況について潘執行長は、前年から若干の改善にとどまると指摘した上で、同社にとって太陽電池価格下落は既に懸念材料ではなく、調達価格が引き下がるため、かえって良い効果を生むとの見方を示した。