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元ウェスティン台北、JR東日本が進出か


ニュース 商業・サービス 作成日:2019年10月14日_記事番号:T00086287

元ウェスティン台北、JR東日本が進出か

 14日付工商時報によると、昨年末に閉館した台北威斯汀六福皇宮(ザ・ウェスティン台北)が入居していた台北市南京東路の大型ビルを、JR東日本ホテルズ(幹事会社・日本ホテル株式会社、里見雅行社長)が賃貸し、「ホテルメトロポリタン」ブランドの台湾進出を計画している。訪台日本人観光客向け市場を好感しての判断とされ、成り行きが注目される。

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 同ビルは地上15階、地下6階で、敷地面積1,757坪、延べ床面積1万8,757坪。ザ・ウェスティン台北は建物の賃料高騰に業績が追い付かず、閉館に至っている。

 工商時報によると、JR東日本ホテルズは2018年初めから、貸主の国泰人寿保険(キャセイ・ライフ・インシュアランス)と賃貸交渉を行っており、既に最終段階に入っている。契約が成立すれば、ホテルメトロポリタンブランドとして台湾への初進出となり、JR東日本グループとしては、台北市信義区の商業施設「微風南山(ブリーズ南山)」のキーテナントとして入居した、ショッピングセンター(SC)のアトレに続く大型投資となる。

 契約まで2年近く時間がかかっていることについて工商時報は、国泰人寿保険が当初、地上のホテル部分と地下のレストラン、宴会場の一括賃貸を計画し、ホテル部分のみ借り受けたいJR東日本ホテルズ側と意見が合わなかったためと指摘。ただ同ビルで近ごろ、飲食業者や宴会業者の視察受け入れや、賃料の提示を行っているとされることから、国泰人寿保険が妥協したとみられる。

 日本ホテルはワイズニュースの取材に対し、ノーコメントとした。

台湾同業は撤退か

 ザ・ウェスティン台北の閉館後、台北喜来登大飯店(シェラトングランド台北ホテル)などを運営している寒舎餐旅管理顧問(マイ・ハンブル・ハウス・ホスピタリティー・マネジメント・コンサルティング)や、晶華国際酒店(フォルモサ・インターナショナル・ホテルズ、FIH)が進出を検討したものの、利益が見込めないと判断し、撤退したとされる。

 ただ工商時報は、訪台日本人観光客について、中国人観光客が減少する中、外国人観光客に占める割合が最大で、海外旅行でも日系ホテルを選ぶ傾向があると指摘した。また、JR東日本ホテルズは自社ブランドを進出させるならば、著名国際ブランドを誘致する場合の授権関連費用が不要となり、その分の利益獲得が狙えるとした。

 台湾では今後、ホテルグレイスリーや三井ガーデンホテル、ソラリア西鉄ホテルなどが相次いでオープンを予定しており、JR東日本ホテルズが新たに参入することとなれば日系ホテル同士の競争激化が予想される。

【表】