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インテルCPUまたも供給不足、台湾業界に明暗


ニュース 電子 作成日:2019年10月16日_記事番号:T00086336

インテルCPUまたも供給不足、台湾業界に明暗

 16日付経済日報によると、インテルに再び、最新の第10世代中央演算処理装置(CPU)「Comet Lake(コメットレイク)」など14ナノメートルプロセス製品の供給不足観測が出ている。ライバルのアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)がこれに乗じてさらにシェアを拡大する見通しで、同社サプライヤーの台湾積体電路製造(TSMC)や嘉沢端子工業(LOTES)などは恩恵が見込まれる。一方、パソコンブランドの宏碁(エイサー)、華碩電脳(ASUS)などには打撃となりそうだ。

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 テクノロジー関連ウェブサイト、トムズ・ハードウエアの統計によると、インテルのCPU供給不足を背景に、AMDのコンシューマー・エレクトロニクス向け製品の第2四半期市場シェアは17~18%と、2016~17年の10%前後から拡大した。AMDは最近サーバー向けにも注力しており、シェアは3.4%へと前年同期比で2ポイント拡大した。

 シティバンクによると、AMDは上半期、CPU市場全体のシェアが12%に上昇した。また、7月に発売したデスクトップPC向けの「Ryzen(ライゼン)3000」シリーズの販売が好調で、搭載製品が年末にも発売される見通しの他、川下のハードウエアメーカーからインテルのデータセンターやクラウドサーバー向けCPUの供給不足が伝えられ、有利な状況となっている。シェア20%突破も視野にある。

 TSMCは、「Ryzen 3000」を7ナノプロセスで生産している。さらにAMDが9月末に発表したビジネス用PC向けの「Ryzen PRO 3000」シリーズや、サーバー向けの「EPYC」第2世代モデルも同プロセスで手掛ける。

 嘉沢端子工業(LOTES)はAMDとインテルにCPUソケットを供給している。証券会社によると、AMD向けの方が売上高構成比が高く、AMDのシェア拡大で恩恵を受ける見通しだ。

 この他、IC設計の祥碩科技(ASメディア・テクノロジー)は、第4四半期にもAMDの高速データ転送規格「PCI Express(PCIe)3.0」対応チップセット「B550」の出荷を開始するとされる。JPモルガン・チェースは、ASメディアの下半期のAMD対応チップセットの出荷量は1,300万セットに上ると予測した。

新ノートPC出荷に遅れ

 エイサーやASUSなどPCブランドのインテル「Comet Lake」を搭載したノートPC新製品は、出荷開始が来年へと従来予定の今年第4四半期からずれ込む見通しだ。インテルは14ナノプロセスの生産能力を25%拡大、10ナノも引き続き拡大しているものの、ASUSは、インテルはCPUの供給が不安定で、業務面で当面の大きなリスクとなっていると指摘した。

【表】