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昭和天皇が台湾に植えた樹木、新天皇即位で里帰りへ


ニュース 社会 作成日:2019年10月16日_記事番号:T00086357

昭和天皇が台湾に植えた樹木、新天皇即位で里帰りへ

 日本で22日に行われる天皇陛下の「即位の礼」を祝うため、昭和天皇が皇太子時代に台湾に植えられたガジュマルや竹、ゆかりの桜から株分けされた苗木を、日本に里帰りさせようという計画が進められている。

/date/2019/10/16/19kakomi_2.jpg成功大学のガジュマル。日本統治時代の面影が今も至る所で息づいている(台南市政府観光旅遊局より)

 昭和天皇は皇太子だった1923年4月、日本統治下の台湾を訪問され、12日間をかけて北部から南部まで各地を視察された。その際、台南でガジュマル、屏東で竹の記念植樹を行われた。台北では民衆が歓迎のため桜を植えた。

 これらの樹木は現在でも大切に育てられており、特に現在の台南市の成功大学キャンパス内に植えられたガジュマルは大木に育ち、大学のシンボルとなっている他、結婚写真の撮影スポットとしても人気を博している。ちなみに、金融大手の国泰金融控股(キャセイ・フィナンシャル・ホールディングス)を中核とする霖園集団は、この木をモチーフとした図案を商標として採用している。

 そして今回、即位の礼が行われるのを機に、3種類の樹木の苗木を日本に里帰りさせようという計画が台湾と日本の民間人によって発案された。計画を推進する「里帰りの会」は、李登輝元総統夫人の曽文恵氏が台湾側の、安倍晋三首相の母、安倍洋子氏が日本側の名誉会長を務める。

 19日に東京の明治記念館で目録の贈呈式が実施される予定で、謝長廷駐日代表も来賓として出席する。植物検疫などの手続きに長時間を要するため実際の苗木が日本に送られるのは後日となる。皇室ゆかりの地に植えられる見通しだ。

 なお日本統治時代には、27人の皇族が台湾を訪問されたが、その後は外交上の配慮から交流が途絶えている。このため、今回の植物の里帰り事業をきっかけに緊密に結び付いた日台の歴史を再確認すると同時に、皇室関係者の訪台を実現してほしいと期待する声が高まっている。