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裕隆のEV充電スタンド、22年に5千基へ


ニュース 自動車・二輪車 作成日:2019年10月17日_記事番号:T00086361

裕隆のEV充電スタンド、22年に5千基へ

 自動車大手、裕隆集団は16日、電気自動車(EV)と電動バイク向け充電プラットフォーム「YES!来電」を発表した。充電スタンドを現在の1,300基から、2022年に5,000基まで拡大し、メーカーの枠を越えたサービス提供を目指す。周辺事業の補完によって、グループのEV・電動バイク事業を後押しする狙いもある。17日付経済日報などが報じた。

/date/2019/10/17/00top_2.jpgバーコードスキャンによる充電開始、クレジットカードやラインペイなどの支払いに対応する(裕隆集団リリースより)

 投資予定額は20億台湾元(約70億9,000万円)以上。BMW、ポルシェ、テスラのEVへの対応も目指す。

 傘下でエネルギー事業を手掛ける裕電能源(YESエナジー・サービス、旧・裕隆電能)の許国興董事長は、台湾全土の579拠点で公共エリアなどに充電スタンド1,300基以上を整備してきたが、テスト用のため料金は徴収してこなかったと説明した。年内に1,500基に達した段階で、商用サービスに入る考えだ。裕電能源は、20年の損益均衡、21年の黒字化を目指す。

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 「YES!来電」では、利用料金をEVでは駐車時間、電動バイクでは充電量で計算する。クラウドの活用で、車のオーナーと充電スタンド経営者の双方に、充電ネットワークの情報を即時提供することが可能だ。

 台湾のEV販売台数は年間2,000台以上に達するとみられ、各ブランドが販売を強化する中、充電スタンドの整備が進んで不足が解消されれば、販売への後押しも期待される。

電動バイク向けも整備

 裕隆集団の充電スタンドは、これまで自社ブランドの納智捷汽車(ラクスジェン・モーター)のEV推進に合わせ整備を進めてきたため、現時点では自動車向けが多くを占める。一方、近年は電動バイクが急速に発展し、裕隆集団の中華汽車工業(チャイナ・モーター、CMC)も電動バイクブランド「emoving」を手掛けていることから、複数の充電方式に対応する電動バイク向け充電スタンドの整備が急務だ。ガソリンバイク大手、光陽工業(KYMCO、キムコ)や三陽工業(SYM)の電動バイク強化も好感する。

 許董事長は、電動バイクの保有台数は30万台に達しており、年間販売台数は早くも10万台以上に達する見通しと、需要増加に期待感を示した。

裕融、連帯事業主導

 裕電能源はこの他、太陽光発電事業も手掛けている。同社は、裕隆集団で自動車ローンを手掛ける裕融企業(TAC)の100%子会社で、資本金は6,500万元。

 裕隆集団は、前董事長の厳凱泰(ケネス・イエン)氏が昨年末に死去したのに伴い、後任に妻の厳陳莉蓮氏が就任した。厳陳董事長は、グループ事業を▽自動車▽金融▽紡織▽建設──の四つに再編。金融事業を主導する裕融企業が、グループのリソースを活用した水平連帯事業を手掛ける。

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