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野良犬を食用に販売疑い、無罪判決に批判


ニュース 社会 作成日:2019年10月17日_記事番号:T00086381

野良犬を食用に販売疑い、無罪判決に批判

 公営の動物保護施設から引き取ったり、わなを使って捕獲した野良犬を食用として販売していたとみられる苗栗県の男(69)と、この男から野良犬を購入して食用に処理していたとされる台中市の男(71)が動物保護法違反で起訴された裁判で、このほど証拠不足を理由に無罪判決が下され、愛犬家たちから「司法は死んだ」などと批判の声が上がっている。

 被告の男とそのめい(45)は一昨年から昨年初めにかけて、苗栗県と新竹市の動物収容施設から野良犬を20匹ずつ引き取った。しかしその後、この犬たちが相次いで行方不明となったとのうわさが広がり、愛犬家たちが調査したところ、昨年3月、被告2人が同県通霄鎮の海岸に広がる防風林の中に設置したわなで野良犬を捕獲している現場を目撃。直ちに警察に通報した。

 警察の調べによると、2人は野良犬の捕獲にイノシシ用のわなを使用。このわなは動物が踏むと足にワイヤが掛かり、もがけばもがくほどきつく締まる仕組みだ。動物の足が切断されるケースも少なくなく、その残忍さから「動物のギロチン」と呼ばれている。

 その後の調べで、2人は収容施設から引き取った野良犬を台中市に住む男に1匹200台湾元(約710円)で販売していたことが判明。この男の自宅近くにある小屋からは犬の骨、毛、血液らしきものが発見され、犬を食用に処理していた疑いが強まった。

 これについて犬を売った被告の男は、相手が番犬用に欲しいというので5匹を売り、交通費として200元を受け取ったと説明。引き取った野良犬の大部分は脱走したと主張した。

 一方、犬を買った男性は、5匹のうち1匹は死に、2匹は脱走、もう2匹は外国人労働者に譲ったと説明。また小屋で発見された骨や血液については自分とは無関係と強調した。

 検察は男が野良犬を食用に処理し、外国人労働者に販売したとして起訴した。しかし小屋で見つかった証拠物件のうち、骨はDNA検査で犬のものと判明したものの、この犬の来歴が確認できないこと、および血液は豚のものと判明したことなどから、裁判官は、犬を食用に売買、処理したとは断定できないとして被告2人に無罪を言い渡した。

 なお判決を不服とする検察は既に上訴している。