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TSMC設備投資36%拡大、5G商機で


ニュース 電子 作成日:2019年10月18日_記事番号:T00086388

TSMC設備投資36%拡大、5G商機で

 ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は17日、今年の設備投資額を140億~150億米ドルへと、従来計画から27~36%引き上げると発表した。同社の設備投資額として過去最高となる。第5世代移動通信(5G)向けの5ナノメートル、7ナノといった先進製造プロセス製品の需要が拡大しているためで、来年の設備投資額も同水準を維持する方針だ。18日付経済日報などが報じた。

/date/2019/10/18/00tsmc_2.jpg魏総裁は、今年通年のファウンドリーの世界売上高は1~3%のマイナス成長となる見通しだが、同社は小幅なプラス成長となり、業界水準を上回ると強調した(17日=中央社)​

 増額分のうち、25億米ドルは5ナノ、15億米ドルは7ナノ・7ナノ強化版(7ナノプラス)の生産能力拡大に充てる。5ナノプロセスは第3四半期に試験生産を開始しており、来年3月にも量産に着手するとされる。今回の増額分は、来年の第2~3四半期に稼働する計画で、同社が5ナノの生産能力拡大に注力する姿勢がうかがえる。

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 魏哲家総裁は、一部の国・地域で近ごろ5Gの商用化が早まっていると指摘。来年出荷されるスマートフォンのうち、5G対応機種が占める割合の予測値を15%へと、従来予測の1桁から上方修正した。

 5G機種には従来より多くのチップが必要で、先進製造プロセスで生産したモデムチップや高周波(RF)IC、電源管理IC(PMIC、パワーマネジメントIC)、CMOSイメージセンサー(CIS)の需要拡大につながると説明。また、5Gの人工知能(AI)やバーチャルリアリティー(VR)、拡張現実(AR)、高画質のゲームなどへの応用が見込まれ、同社の5ナノ、7ナノチップが大量に採用されるとの見通しを示した。

Q3純利益、過去最高

 同社の第3四半期連結売上高は2,930億4,500万台湾元(約1兆400億円)で、前期比21.6%増、前年同期比12.6%増加し、従来予測を上回った。7ナノプロセスの売上高構成比は27%に上昇した。10ナノは2%、16ナノは22%で、16ナノ以降の先進プロセスが計51%と過半を占めた。

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 粗利益率は47.6%で前期比4.6ポイント上昇、前年同期比0.2ポイント上昇、営業利益率は36.8%で前期比5.1ポイント上昇、前年同期比0.2ポイント上昇した。純利益は前期比51.4%増、前年同期比13.5%増の1,010億7,000万元で、四半期ベースの過去最高を記録した。魏総裁は業績好調について、スマホ向けの需要が強かったためと説明した。

 第4四半期の見通しについて同社は、連結売上高は3,121億2,000万~3,151億8,000万元、粗利益率48~50%、営業利益率は37~39%といずれも前期を上回り、純利益は引き続き過去最高を更新するとの予測を示した。

【図】