ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム 会社概要 採用情報 お問い合わせ

コンサルティング リサーチ セミナー 在台日本人にPR 経済ニュース 労務顧問会員

ファミマがIT2号店、セルフレジ200店へ


ニュース 商業・サービス 作成日:2019年10月23日_記事番号:T00086463

ファミマがIT2号店、セルフレジ200店へ

 コンビニエンスストア大手、全家便利商店(台湾ファミリーマート)は22日、同社2店目となる情報技術(IT)コンセプト店舗(京盛店)を、台北市松山区の台北小巨蛋(台北アリーナ)そばで改装オープンした。▽セルフレジ▽スマートコーヒーメーカー▽スマート自動販売機──などのハイテク設備を導入しつつ、有人レジも維持し、「人と機械の協業」による労働力削減とサービス向上を目指す。セルフレジ導入店舗は来年、200店規模に拡大する計画だ。23日付工商時報などが報じた。

/date/2019/10/23/00fami1_2.jpgセルフレジは1代目より操作の簡略化、小型化を実現した(YSN)

 同店のセルフレジは、顧客自ら商品バーコードをスキャンするもので、最短10秒で支払いが完了する。現在、11店舗に導入済みだ。

 ワイズニュースが同店を朝のピーク時間帯に訪れたところ、通常のレジに長い列を作る消費者を店員がセルフレジに誘導していた。同店の責任者は、セルフレジで購入できるのはバーコード付き商品のみのため、該当する顧客に声をかけて誘導していると説明した。セルフレジは現在、▽悠遊卡(イージーカード)▽一卡通(Iパスカード)▽同社のモバイル決済、My FamiPay──での支払いに対応。年内には、顔認証決済にも対応する予定だ。

 セルフレジを利用した30代の女性は「早くて便利」と感想を語った。別の女性も「また使いたい」と述べており、評判は上々のようだ。

 セルフレジの横には、独WMFと開発したスマートコーヒーメーカーを設置した。ファミマ会員は、アプリを通じて購入したバーコードをかざせば、店員の手を介さずに約40秒でいれたてコーヒーを飲むことができる。ピーク時間の有人レジの利用者減少によって、待ち時間を短縮する効果が期待できる。

夜間の自販機テスト営業

 自販機エリアには、▽2温度帯対応自販機▽タッチパネル式自販機▽ロッカー型自販機▽鮮食(調理済み食品)自販機──の4種類を設置した。鮮食自販機は、年内に加熱機能を増設する予定だ。将来的には、電子商取引(EC)で購入した商品の引き渡しテストも行う。

/date/2019/10/23/00fami2_2.jpg店舗外にはタッチパネル式自販機を設けた(22日=中央社)

 葉栄廷同社董事長は、深夜時間帯の労働力の有効利用のため、自販機を利用する新たな24時間営業モデルのテストを同店で行うとの考えを示した。同店によると、自販機エリアのみをシャッターで区切って開放でき、将来的に自販機のみで深夜営業を行うことができる構造になっている。

 ファミマは昨年3月にIT店舗1号店(重慶店、台北市中正区)をオープン。通常型店舗でもIT導入の取り組みを加速させている。ビッグデータを活用する発注提案システムは既に9割以上の店舗で導入が完了し、2時間以上かかっていた発注業務の大幅短縮を実現した。今後は、期限の短い鮮食もシステムの対象に含める予定だ。この他、モノのインターネット(IoT)を利用した設備モニタリングシステムを100店舗以上で導入し、故障時の警告や自動でのメンテナンス手配で、店舗の負担を軽減している。

セブンのIT店、無人レジのみ

 最大手のセブン-イレブンは昨年、無人型店舗「X-STORE」2店舗を出店した。ただ入店には、同社の電子マネー「icash2.0」と会員登録が必要で、ファミマに比べ利用のハードルが高い他、有人レジがないため対応できる業務が限られている。