ニュース 電子 作成日:2019年10月25日_記事番号:T00086521
電子機器受託生産大手、英業達(インベンテック)は24日、中国から台湾へのノートパソコン、サーバーの一部生産ライン移転などに対する48億台湾元(約170億円)以上の投資案が、台商(海外で事業展開する台湾系企業)のUターン投資を促進する「歓迎台商回台投資行動方案」として承認された。これにより、米中貿易戦争を受けた受託生産大手のUターン投資が出そろった。25日付経済日報が報じた。
インベンテックは上海市のサーバー工場、重慶市のノートPC工場の一部生産ラインを桃園市に移転する。経済部は、これらの製品は米国の対中制裁関税による打撃が特に大きく、同社に生産移転を促したと指摘した。
同社は、生産再開した桃園市大渓区のノートPC工場で来年、月産能力を50万台以上、生産比率を30%へと引き上げる計画だ。現在は15万台、10%にとどまる。今年9月には、生産能力拡大に向け、測定設備や組み立てライン、倉庫の設置に20億元を投資すると発表していた。
サーバーはデータセンター向けの需要が強く、10月に同市亀山区の工場棟を照明機器メーカーの中国電器(チャイナ・エレクトリックMFG、中電)から11億7,800万元で取得したと発表していた。
また、モノのインターネット(IoT)、ビッグデータ、クラウドへの研究開発(R&D)も強化する方針だ。計1,526件の就業機会創出を見込む。
受託生産大手、台湾生産拡大
受託生産大手では5月、和碩聯合科技(ペガトロン)の▽台北市関渡(北投区)での研究開発(R&D)センター建設加速▽新北市新店区での工場棟購入▽桃園市亀山区の生産拠点2カ所での生産ラインと自動化設備の増設──などへの計149億元の投資案件が、「歓迎台商回台投資行動方案」として承認された。同社は、台湾での生産能力を4倍に引き上げる方針だ。
広達電脳(クアンタ・コンピューター)は林口本部(亀山区)そばで第3生産ビルを建設し、ハイエンドのサーバー製品を生産する。サプライチェーン関係者によると、人工知能(AI)研究開発センターも設置する。
仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)は桃園市の平鎮工場でのノートPC、IoT製品、サーバーなどの生産能力拡大を計画していたが、デルや聯想集団(レノボ)といったノートPCブランド大手の需要に対応するため、同市観音区にも生産ラインを設置するようだ。
回帰投資、審査待ち20社以上
インベンテックの他、24日に「歓迎台商回台投資行動方案」として認可されたのは、精密ボール最大手、天工精密の中部科学工業園区(中科)二林園区での工場新設案で、投資額17億元。今後、製品の軸足をセラミック製へと移行する計画だ。
「歓迎台商回台投資行動方案」の認可の累計は149社、6,223億元となり、雇用機会約5万5,000件を創出する見通しだ。また、20~30社が依然、審査待ちをしている。
沈栄津経済部長は、米国の対中制裁関税引き上げは延期となっているだけで、今後も台商のUターン投資は続くと強調した(24日=中央社)
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