ニュース 電子 作成日:2019年10月31日_記事番号:T00086616
IC設計最大手、聯発科技(メディアテック)の蔡力行執行長は30日、同社初の第5世代移動通信(5G)対応システム・オン・チップ(SoC)が多数のスマートフォンメーカーに採用され、来年第1四半期にも搭載製品が発売される見通しで、同社の5G向けシェアは4G向けを下回らないと述べた。中国では、あす11月1日から5G商用サービスが始まる。証券会社は、来年中国市場で投入される5G対応スマホの約45%で同社チップが採用されると表明したに等しいと指摘した。31日付経済日報などが報じた。
同社は、通信キャリア大手の遠伝電信(ファーイーストーン・テレコミュニケーションズ)と提携して、5Gチップのテスト環境を整備すると表明した(30日=中央社)
蔡執行長は、来年の5Gスマホ需要は3カ月前の予測値(世界1億4,000万台、うち中国1億台)を上回ると語った。具体的な数字は明言しなかったが、同社が生産を委託するファウンドリー最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は、2億2,000万~2億4,000万台とみている。
主流機種向けも開発
蔡執行長は、第4四半期出荷開始の同社初の5G対応SoC(ハイエンドスマホ向け)について、業界で唯一、下り通信速度4.7ギガビット毎秒(Gbps)の高速通信に対応する他、高速無線LANの新規格「Wi-Fi6」での通信も可能と説明した。
蔡執行長はまた、価格帯の違う複数の5G対応製品を企画しており、来年第2四半期に量産を開始する第2製品(ミドルエンドスマホ向け)に続き、主流機種向けの第3製品も準備中と明かした。対応するスマホの価格帯は、▽ハイエンド向け、約3,500人民元(約5万4,000円)▽ミドルエンド向け、2,500人民元以上▽主流機種向け、約2,000人民元──と説明。スマホラインアップ全体への対応で、シェア拡大を目指す姿勢を示した。
4G向けも並行
一方、4G対応製品は一部が5Gに置き換わるものの、依然大きな需要があるとして、来年は5Gとともに重視する考えを示した。同社はこのほど▽ヘリオP90▽ヘリオG90▽ヘリオP60──と4G対応チップを相次いで投入し、中国やインド市場で搭載機種が発売された。
粗利益4割以上、3四半期連続
同日発表した第3四半期の連結売上高は672億2,400万台湾元(約2,400億円、前期比9.2%増、前年同期比0.3%増)だった。構成比は▽モバイル演算、32~37%▽成長型製品、32~37%▽スマートホーム、28~33%──だった。
粗利益率は42.1%(前期比0.2ポイント上昇)で、過去4年で最高、3四半期連続で40%を上回った。純利益は69億200万元(前期比6.1%増、前年同期比2.5%増)で、過去5四半期の最高だった。
蔡執行長は第4四半期について、同社の非需要期だが、4G向け最終製品の出荷増と5G対応SoCの出荷開始が、一部コンシューマー製品の需要減を軽減するとして、楽観視している。第4四半期売上高は618億~672億元(前期比8%減~横ばい)、粗利益率は40.5~43.5%と予測。通年売上高は2,434億~2,487億元と、過去2番目となる見通しだ。
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