ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

架空レシートくじ乱発、賞金1600万元荒稼ぎ


ニュース 社会 作成日:2019年10月31日_記事番号:T00086637

架空レシートくじ乱発、賞金1600万元荒稼ぎ

 台湾の統一発票(公式レシート)は脱税防止のため、通し番号によるくじが付いており、賞金200~1,000万台湾元(約720~3,600万円)が当たる。これを利用して荒稼ぎしようと、実態のないペーパーカンパニーを複数設立して統一発票を発行し、3年間で当せん賞金1,600万元を不当に得ていた詐欺グループがこのほど摘発された。

/date/2019/10/31/19receipt_2.jpg蘇建栄財政部長は31日、今年より統一発票の賞金交換情報のIT(情報技術)化を進めており、交換者をすぐに突き止められると説明した(31日=中央社)

 財政部中区国税局と彰化地方検察署は、主犯の男(33)ら12人を摘発した。検察の調べによると、詐欺グループは飲料水スタンド会社7社を設立し、これらの会社を通じて国税局からくじ番号の付いた統一発票を数百枚購入した。実際は飲料水スタンドをまったく設置しておらず、営業実態がないにもかかわらず、賞金が当せんした通し番号の統一発票を発行し、換金することで利益を上げていた。

 2016年11月より摘発されるまで、当せんくじ5万9,203枚を換金し、計1,596万5,800元の賞金を得ていた。例えば、今年7~8月に購入した統一発票は170万枚で24万4,800元、飲料水スタンド運営会社の営利事業所得税(法人税)は1社当たり約1万元のため、コストは合計31万元余り。これに対し、当せん賞金は220万元に上った。

 同じ場所で大量に換金しては怪しまれるので、少額当せんの統一発票は換金役を約100人雇い、全土のコンビニエンスストアや銀行で1回に付き1~3枚、1枚に付き手間賃40元で交換させていた。

 ところが、ある換金役が面倒に感じ、統一発票10枚をまとめて同じコンビニで換金したところ、店員が統一発票の発行者が同一の飲料スタンドだったことを不審に思い、国税局に通報した。そこで国税局が調査し、飲料スタンド運営会社7社に同様の異常が見つかったため、検察に通報した。

 彰化地検は29日、7社を家宅捜索し、未使用の統一発票が入った段ボール箱数百箱や印刷機などの証拠品を押収。主犯の盧杰煬容疑者を含む詐欺グループのメンバー12人に出頭を命じた。今後、組織犯罪防制条例や商業会計法違反、詐欺などの罪で起訴する方針だ。