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模型グライダー大会、母親が直撃受け死亡


ニュース 社会 作成日:2019年11月4日_記事番号:T00086687

模型グライダー大会、母親が直撃受け死亡

 海岸線に連なる断崖絶壁と海からの強い潮風で知られる、台湾最南端に近い屏東県恒春鎮の龍磐公園で2日、模型飛行機の国際大会が開催されたが、参加した機体の一つがコントロールを失い、子連れの母親に衝突して死亡させる痛ましい事故が起きた。

/date/2019/11/04/19kakomi_2.jpg粉々になったグライダーが衝撃を物語る(2日=中央社)

 今回開催された競技は、無動力グライダーの舵面を遠隔で操作して飛行させるスロープ・ソアリング・グライダー(F3F)と呼ばれるもの。100メートルのコースを10往復させ、速さを競う龍磐公園の大会は国際競技連盟「国際航空連盟(FAI)」の認証も受けており、今年で9年目を迎え、今回は10カ国・地域から55人が参加。2日から3日間の日程で競技が進められるはずだった。

 しかし2日午後5時前、米国人男性選手(57)が飛ばしたグライダーが、レース会場から約200メートル離れた公園内を、2歳の息子を抱いて散策していた女性の後頭部に直撃。通報を受けて警察と消防が駆け付けた時、女性は既に呼吸をしておらず、死亡が確認された。目撃者によると、女性はグライダーから守るように子供を抱きかかえたまま倒れ込んだ。息子は首の後ろ側に15センチメートル大の裂傷を負ったもの、命に別条はない。

 死亡した女性は台南市在住で、龍磐公園へは観光で訪れただけで、グライダーの競技大会を見に来たわけではなかった。

 警察の調べに対し、グライダーを操作していた米国人男性は、事故発生時、飛行していた機体が突然視界から消え、その後、しばらくして衝突音が聞こえたと供述した。機体は翼幅約3メートル、重量約4キログラムで、男性は2度の競技参加経験があり、周辺のレース環境を熟知しているため、なぜ200メートルも離れた場所に飛んで行ったのか不可解とも述べた。警察は男性を業務上過失致死罪で立件する方針だ。

 F3Fは、山の斜面や崖などに発生する上昇気流を利用して機体を飛行させるもので、風が強い時には飛行速度が時速160~170キロに達する。

 事故を受けて龍磐公園を管轄する墾丁国家公園管理処は、大会を中止し、事故の調査結果を待つよう指示。今後、同様の事故が発生する可能性があれば、大会の開催を認めない可能性もあるとコメントした。