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台南に17世紀テーマパーク、海角七号の魏監督が主導


ニュース 社会 作成日:2019年11月5日_記事番号:T00086712

台南に17世紀テーマパーク、海角七号の魏監督が主導

 台南市政府は1日、著名な映画監督、魏徳聖氏が2021年にクランクイン予定の17世紀の台湾を描く作品『台湾三部曲』のセットをテーマパーク化する「豊盛之城」のBOT(建設、運営、譲渡)計画について魏氏と契約を締結した。

/date/2019/11/05/18kakomi_2.jpg黄市長(右)。魏氏(左)は、台南こそが台湾の歴史の始まりの舞台で、その様子を作品に残すと意気込みを語った(台南市政府リリースより)

 魏氏は、1940年代に台湾に赴任していた日本人教師が戦後、教え子の女性に恋文を送ったことがきっかけとなって物語が進行する『海角七号』(08年公開)や、30年に発生した台湾原住民による抗日事件「霧社事件」を描いた大作『セデック・バレ』(11年公開)で監督を務め、いずれも記録的なヒットとなった。

 さらに現在の夏の甲子園に当たる全国中等学校優勝野球大会に戦前出場し、準優勝を果たした嘉義農林(現国立嘉義大学)野球部を描いて大ヒットした『KANO』(馬志翔監督、14年公開)ではプロデューサーを務めるなど、台湾映画界を代表する人物となっている。

 そんな魏氏は現在、17世紀にオランダ人が台湾を統治した時代を描く3部作『台湾三部曲』を製作、撮影に使用した大規模なセットを保存してテーマパーク「豊盛之城」として公開する構想を抱いている。これに黄偉哲台南市長が共感し、実現に向けた第一歩を踏み出す形となった。

 テーマパーク開発を担う熱蘭遮公司によると、「豊盛之城」は台南市後壁区に建設予定で、オランダ人が1624年に建設した台湾で最も古い城、ゼーランディア城(安平古堡)や1653年に築城したプロヴィンティア城(赤嵌楼)、その周辺の原住民シラヤ族、漢民族の集落をセットで再現する。この他、『台湾三部曲』にアニメ、歴史ドキュメンタリーを加えた映像作品5編を展示し、来場者に400年前の台湾を体感してもらう計画だ。

 『台湾三部曲』の撮影、テーマパークの建設は25年に完了予定で、総投資額は135億台湾元(約480億円)を見込む。しかし現時点で2億3,500万元しか用意できておらず、今後、資金調達を本格化させる方針だ。

 魏氏は100億元規模のプロジェクトをスタートしたプレッシャーで「よく眠れない」と打ち明けた。ただここ数日、複数のスポンサーが名乗りを上げており、来年には一般からも資金を募集する計画で「うまくいくと信じている」と語った。