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エイサーとノバルティス、AI医療で提携


ニュース 医薬 作成日:2019年11月6日_記事番号:T00086714

エイサーとノバルティス、AI医療で提携

 パソコン大手の宏碁(エイサー)は5日、スイス製薬大手のノバルティス傘下の台湾諾華(ノバルティス台湾)と、ビッグデータと人工知能(AI)画像分析を利用した医療用診断補助システムで提携する覚書(MOU)を交わした。加齢黄斑変性や糖尿病性網膜症などが対象で、来年初めにもAIプラットフォームとして台湾初の認可を取得し、医療機関に導入される見通しで、疾患の早期発見への貢献が期待される。ハイテク大手と製薬大手の提携は初とされる。6日付自由時報などが報じた。

/date/2019/11/06/00acer_2.jpg左からエイサーの張技術長、施氏、ノバルティスアジア太平洋総裁のアレクシス・セーリン氏、台湾総裁の謝氏。施氏は、台湾の人類に対する貢献につながると指摘した(5日=中央社)

 エイサーの張瑞川技術長は、ノバルティスから疾患や治療の専門知識、臨床試験などの分野で協力を受け、衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)への認可申請を行っていると説明した。提携により、スマート医療分野での製品化と国際展開の加速が期待でき、輸出も視野に米国、欧州連合(EU)で関連認証の申請を行う考えだ。

 合意内容には、世界のスマート医療関連の法規や市場の研究、臨床試験の立案、眼科向けAIの研究開発(R&D)、心血管疾患向け一体型ケアサービスなどでの協力が含まれた。ノバルティス台湾の謝麗娟総裁は、エイサーのAI技術導入による疾患の早期発見・治療で、クオリティー・オブ・ライフが向上できると期待を示した。当初は▽加齢黄斑変性▽糖尿病性網膜症▽心血管疾患──を対象とするが、将来的な協力範囲には無限の可能性があると指摘した。

 エイサー創業者の施振栄(スタン・シー)氏は、ノバルティスとの提携で、台湾が情報通信産業のみならず、産業間の相互協力によって、医療産業でも世界水準に達することに貢献できると述べた。スマート医療の可能性は莫大(ばくだい)で、新しい価値の創出と医療サービスによる貢献で、エイサーは先頭を走ると意欲を述べた。

医療向けAIで導入実績

 医療機関への画像診断システム導入は、子会社の宏碁智医(エイサー・ヘルスケア)を中心に進める。エイサー・ヘルスケアは、眼科用検査設備メーカーの明達医学科技(クリスタルビュー・メディカル)とも提携している。

 エイサーは近年、AIを活用したスマート医療製品の医療機関への導入に注力してきた。▽彰化基督教医院▽台北医学大学附設医院▽高雄医学大学附設中和紀念医院──にクラウド型の健康管理プラットフォームを導入した他、台北栄民総医院(タイペイ・ベテランズ・ジェネラル・ホスピタル)のデイケアセンターには顔認証と行動識別ソリューションを備えるスマートモニタリングシステムを導入した。