ニュース 自動車・二輪車 作成日:2019年11月8日_記事番号:T00086763
トヨタ自動車の台湾総代理、和泰汽車の蘇純興総経理は7日、今年の台湾自動車市場の販売台数予測を前年並みの43万5,000台へと、従来予測より1万台上方修正した。販売減少が懸念される総統選挙前にもかかわらず、トヨタ車を中心に販売が堅調だ。来年は、政府が検討を進める自動車部品の輸入関税引き下げで、輸入車に押される台湾生産車の価格競争力が向上する見通しで、蘇総経理は「悪くなる理由がない」と楽観視している。8日付経済日報などが報じた。
予測引き上げは、和泰汽車へのトヨタからの販売割り当て増加に加え、多数の輸入車メーカーから新車が相次いで投入されたことを反映した。
10月の自動車新車登録台数が4万1,040台と好調だったことで、1~10月新車登録台数は35万3,207台と前年同期比1.1%減の水準にまで回復している。和泰汽車の予測では、11~12月も新車登録台数が月間4万台を超える見通しだ。
和泰汽車は、同社の通年販売目標を13万5,000台へと、従来の目標から4,000台引き上げた。販売好調で欠品となっていた輸入スポーツ用多目的車(SUV)「RAV4」や、レクサスのハイブリッドモデルの販売割り当てが、日韓対立による韓国向け割り当ての削減で約4,000台増加したことを反映した。
台湾自動車市場首位の和泰汽車は、3月に人気車種の台湾生産セダン「カローラ・アルティス」と「RAV4」の新モデル発売後、販売が予測を上回っている。「RAV4」は1~10月の販売台数が2万3,000台を越え、輸入車市場でシェア13%を占めた。
台湾生産車、巻き返しなるか
今年の台湾自動車市場は、主に「RAV4」などの輸入車に支えられた。1~10月の輸入車販売台数は16万7,000台と前年同期比4.1%増加し、市場シェアは47.3%の高水準に達した。一方、台湾生産車は18万6,000台と前年同期比5.5%減少し、市場シェアは52.7%にまで低下した。
来年は、総統選が終わることや、政府の買い替え補助の最後と1年となることで、消費者の購買意欲喚起が期待できる。経済部の試算では、自動車部品9品目の輸入関税引き下げが実現すれば、台湾生産車1台当たり6,600台湾元(約2万4,000円)の減税効果があるとされ、巻き返しを図れるかが注目される。
蘇総経理は来年、トヨタブランドの台湾生産新型SUVを投入するため、同社の販売成績は今年を上回るとの見通しを述べた。
シエンタ新モデル発売
和泰汽車は同日、台湾生産のコンパクトミニバン「シエンタ」の新モデルを発売した。価格は64万9,000~89万9,000元。台湾初のパーキングサポートブレーキ(PKSB)配備など安全装備を強化した一方で、主力車種で前モデルより1万元引き下げた。年間販売台数1万5,000台を目指す。
「シエンタ」は、2016年11月の台湾投入後、累計販売台数が4万3,000台以上に達し、コンパクトミニバン市場で首位を維持している。
シエンタは、福原愛氏(左)と夫の江宏傑氏(右)がイメージキャラクターを務める(和泰汽車リリースより)
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