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19年訪台旅行者、中国圧力も7%増へ


ニュース 商業・サービス 作成日:2019年11月11日_記事番号:T00086786

19年訪台旅行者、中国圧力も7%増へ

 林佳龍交通部長は8日、今年通年の訪台旅行者数は延べ1,180万人へと前年比7%増加し、引き続き過去最高を更新するとの見通しを示した。来年1月の総統選挙を見据えた中国政府による訪台旅行規制の逆風を受けた一方、日韓対立の「漁夫の利」や、台湾政府による優遇措置などで、日韓、欧米、東南アジアからの観光客が増えている。ただ、消費金額の多い中国人客の影響を極小化するには、さらなる観光振興策が求められそうだ。11日付自由時報などが報じた。

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 内政部移民署によると10月の訪台客数は延べ93万7,755人で、前年同月比2.29%の減少にとどまった。中国人客は11万2,068人で前年同月比53.18%の大幅減となったが、香港・マカオからは11万6,973人と6.17%増加、中国・香港・マカオ以外の外国人客は70万7,026人と16.16%増加し、中国人客減少の影響を緩和した。1~10月の訪台客数は972万9,131人で前年同期比9.04%増だった。

 交通部民用航空局(民航局)によると、冬季スケジュールで中台路線の便数は前年同期比3%減少したが、全体の便数は4.5%増加した。このうち、欧州路線は28%増、日韓対立の余波で韓国路線は25%増、東南アジアなど新南向政策対象国の路線は8%増、日本路線は2%増だった。台湾側のビザ手続きの簡素化や、着陸料優遇措置などが貢献した。交通部観光局は、修学旅行を含めた日本市場への売り込み強化のため、さらなる優遇措置を検討している。

 8日開幕した台湾最大規模の旅行業界の展示会、台北国際旅展(台北インターナショナル・トラベルフェア、ITF)で蔡英文総統は、昨年に訪台客数が過去最高を更新したのは新南向政策の具体的成果と強調。ムスリム(イスラム教徒)旅行者へのフレンドリー度を示す「ムスリム旅行指標」で非イスラム圏3位にランクインしたことで、今後はムスリム旅行者の継続的な増加が期待できると述べた。

 蔡総統はまた、多様な旅行市場の開拓を目指し、今年は小鎮(地方の集落)観光、来年は山地観光をテーマに推進すると説明。インフラなどの設備面の整備を進め、海外観光客の誘致に努める考えを示した。

/date/2019/11/11/00top_2.jpg行政院農業委員会(農委会)林務局は、国家森林遊楽区との連携による温泉、野鳥鑑賞、鉄道風景、原住民文化などの30コースを提案した(8日=中央社)

台北国際旅展が盛況

 台北国際旅展では、大手ホテルグループの宿泊券や食事券などの初日売上高は、軒並み1,000万台湾元(約3,600万円)を超えた。同展は、台北南港展覧館1館で11日まで開かれる。

 このうち、寒舎餐旅管理顧問(マイ・ハンブル・ハウス・ホスピタリティー・マネジメント・コンサルティング)グループの初日売上高は3,800万元だった。インターネット販売は2,200万元以上。期間中目標は1億6,000万元。

 晶華国際酒店集団(シルクスホテルグループ)の初日売上高は約1,300万元で、前年に比べ18%増加した。ネット販売は約6,600万元。期間中目標は1億3,600万元だ。

【表】