ニュース
社会
作成日:2008年7月9日_記事番号:T00008686
軍艦・戦闘機の燃料節約、国防部も苦戦
原油価格の高騰を受け悲鳴を上げているのは、一般民衆のみにあらず。軍艦や戦闘機を保有する国防部にとっても、燃料の節約は頭の痛い問題になっている。
国防部は現在「燃料節約大作戦」を遂行中で、国防部長や参謀総長は公務車を排気量3,800ccから3,000ccに変更し、視察に出掛ける際は12人乗りのワゴン車に同乗している。
最も燃料消費が多いのは、なんといっても海軍と空軍だ。海軍が保有する4隻のキッド級ミサイル駆逐艦は、1隻1時間当たり5万8,000台湾元(約20万4,000円)もの燃料を消費。1回の出航任務は最低でも7日間に及ぶことから、4隻で計2,000万元を使う計算になり、「油食い怪獣」の異名を持つのもうなずける。
キッド級ミサイル駆逐艦に次いで燃料を食うのは、空軍のミラージュ2000戦闘機。1時間当たり約115万台湾元と、エンジン始動後はまさに秒単位でお金を燃やしているに等しい。
国防部は目下、海軍の大型軍艦に対し「必要がなければ、出航してはならない」と命じており、キッド級ミサイル駆逐艦の出航機会は減っている。6月に日本との間で尖閣諸島(沖縄県石垣市、台湾名・釣魚台)をめぐる対立が発生し、国民党の立法委員が尖閣諸島へキッド級ミサイル駆逐艦を派遣するよう求めた際、国防部はラファイエット級フリゲートの派遣を主張したが、全てはコストを考慮してのことだったという。
海軍の燃料備蓄は9月に底をつき、戦備用燃料を使うしかないといううわさも流れているが、国防部は8日これを否定し、軍事訓練に影響はないと強調。しかし、原油の高騰が続く限り、苦戦を強いられるのは必至とみられている。