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民進党「蔡頼ペア」に、挙党態勢が実現


ニュース 政治 作成日:2019年11月18日_記事番号:T00086914

民進党「蔡頼ペア」に、挙党態勢が実現

 民進党は17日、来年1月の総統選挙で、再選を目指す現職の蔡英文氏とペアを組む副総統候補として、頼清徳前行政院長を立てることを発表した。目標の総統選の勝利と立法委員選での過半数獲得に向けて、二大実力者が手を組む挙党態勢が実現した形で、集票拡大効果が期待できる。18日付聯合報などが報じた。

/date/2019/11/18/00dpp2_2.jpg蔡氏(右)と頼氏(左)。中国の圧力に対抗することを強く訴えた(16日=中央社)

 両氏は16日夜に高雄市で開かれた選挙集会に登場。握り合った手を掲げて支持者の歓声に応えた。集会には10万人もの支持者が来場し、大きな盛り上がりを見せたという。蔡氏は昨年の高雄市長選で民進党候補が国民党の韓国瑜氏に敗れたことを念頭に、「今回の選挙で高雄は最も指標性を持っている。共に高雄を取り戻そう」と訴えた。

 頼氏は総統選公認候補を決める党内予備選で蔡氏と争い、敗れた経緯がある。その後は選挙の動きから距離を置いていたが、10月に訪米して支持者に投票を呼び掛け、蔡氏再選に向けた活動を再開していた。最終的に蔡氏との協力を選んだことで現時点での民進党最強ペアが実現、支持者の投票意欲を喚起する効果が考えられる。

 特に頼氏は蔡氏よりも独立色が強く、「中華民国台湾」の現状維持路線を掲げる蔡氏に不満な独立派の票が戻ってくることに期待がかかる。

 頼氏は副総統候補の擁立を受けた理由について、蔡氏の誠意と民衆の期待に対する自身の責任を果たすためと説明。「中国が圧力を強め、香港の状況が悪化する中、今回は(台湾の今後を決める)非常に重要な選挙で、団結して台湾を守ることが最も重要なためだ」と強調した。頼氏にとっては、蔡氏の後継者としての地位を固める意味もありそうだ。

 一方、国民党から出馬する韓氏は「蔡頼ペア」に対し、「派閥の妥協の産物であり、理念で結び付いたものではない。蔡氏は、頼氏と同様に台湾独立を支持するのであれば、大きな声でそう言うべきだ」と批判した。

 なお、総統選挙は18日から立候補受け付けが始まり、国民党の「韓氏・張善政元行政院長」と、親民党の「宋楚瑜主席・余湘氏」の正副総統候補ペアが午前中に届け出を行った。「蔡頼ペア」は期限の22日までに届け出を行う予定だ。

蔡頼ペアがリード

 聯合報が18日報じた総統選の支持率調査によると、「蔡頼ペア」は45%で、「韓張ペア(29%)」「宋余ペア(8%)」を大幅にリードしている。総統候補のみの比較では、蔡氏は43%で、頼氏とのペアを組むことによる加点効果が明らかとなった。

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 「蔡頼ペア」の民進党支持者による支持率は93%で、国民党支持者による「韓張ペア」の71%を大きく上回る。「蔡頼ペア」が支持層の信頼を得ている一方、韓氏の場合、票が逃げる傾向にあることがうかがえる。

【図】