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訪台客2千万人へ、観光10カ年計画


ニュース 商業・サービス 作成日:2019年11月19日_記事番号:T00086940

訪台客2千万人へ、観光10カ年計画

 政府が2030年に訪台旅行者延べ2,000万人、台湾人の域内旅行者2億4,000万人を創出する目標を打ち出した。中国人観光客が減少する中、ムスリム(イスラム教徒)など潜在市場開拓や、モバイル支払いやオンライン乗車券など観光のスマート化を推進する方針で、交通部観光局は来年2月までに「ツーリズム2030観光政策白書」を策定し、観光立国を目指す。19日付経済日報などが報じた。

/date/2019/11/19/00lin_2.jpg林佳龍交通部長は、観光のソフトとハードの力で、台湾産業をけん引すると表明した(観光局リリースより)

 交通部観光局は18日、台湾観光協会に策定を委託する「ツーリズム2030観光政策白書」の諮問会議を開催した。▽海外の主力市場、潜在市場、特定市場の訪台旅行者を開拓▽景勝地の整備やテーマ設定、ユニバーサル化による地域の観光ブランド化、国際化▽電子決済サービスの統合、モバイル支払いやオンライン予約機能の導入など、スマート観光・スマート交通推進▽旅行の質、安全、消費者の権益を守るため、時代に合わなくなった管理措置の見直し▽宿泊施設の労働者不足や土地税・レジャー税など、観光業の環境整備──、これらにより30年に訪台旅行者延べ2,000万人、台湾人の域内旅行者2億4,000万人創出を目指す。

 「ツーリズム2030観光政策白書」は今年2月より検討を開始しており、これまで15回の会議を開催した。続いて12月6日に全国観光発展会議で討議し、来年2月に決定する予定だ。

/date/2019/11/19/00tourism_2.jpg「ツーリズム2030観光政策白書」諮問会議は、観光業界の代表者など約150人が出席した(観光局リリースより)

中国人減少、低目標との批判も

 ある出席者は、台湾の人口は30年に2,000万人まで減少する恐れがあり、同規模の訪台旅行者を受け入れることは、政府や観光産業にとって大きな課題だと語った。

 別の業界関係者は、日本政府は12年に訪日旅行者1,000万人から、20年に4,000万人と8年で4倍増の目標を掲げたのに、台湾政府は今年の訪台旅行者見通し1,180万人に対し、今後10年で900万人、1年当たり6%しか増やさない目標とは、観光立国としての意欲に欠けると批判した。また、中台関係が改善せず、中国人観光客が大幅減少しているが、他の国・地域からの旅行者の消費力では補い切れないとの見方を示した。

 統計によると、訪台旅行者は15年に延べ1,044万人と、1,000万人の大台に乗った。その後も着実に伸びを重ね、中国人観光客が減少する中で今年は74万人(6.7%)増と、過去5年で最高の伸びが予想されている。

 一方、台湾人の域内旅行は14年の延べ1億5,600万人から16年に1億9,000万人まで増えた。昨年は前年比6.6%減の1億7,100万人だった。

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【表】