ニュース 社会 作成日:2019年11月19日_記事番号:T00086960
台湾鉄路(台鉄)で10月3~14日の12日間に、列車が通過駅に進入する際の速度超過が8回に上ったことが明らかになった。台鉄は昨年10月、特急プユマ(普悠瑪)号が速度超過を直接の原因として18人の死者を出したばかりだが、不良運転士が惨事の教訓を無視した形だ。台鉄はこの運転士の乗務を禁止するとともに、同時に速度超過が発覚した他の4人の運転士に対しても処分を行った。
蘋果日報への匿名の投稿によると、列車が駅に進入する際の速度は時速60キロメートル以下と定められているが、計8回の違反では65~89キロを記録していた。速度超過時に自動的にブレーキがかかる車両の自動列車防護装置(ATP)は反応せず、異常の表示もなかった。
これは、ATPが超過を感知した際に、すぐに強制的にブレーキをかけると乗客に不快感を与えるので、速度の許容範囲を設定しているためだ。駅進入時の許容速度幅は30キロとかなり広く、90キロまではATPによるブレーキが作動しないようになっていた。運転士はこれを悪用し、速度超過を繰り返していた。
投稿者は、プユマ号の事故から1年しかたっていないのに、乗客の安全を最優先にするべき運転士がこうした姿勢では、再び事故が起きかねないと警鐘を鳴らした。
これに対し交通部台湾鉄路管理局(台鉄局)の馮輝昇副局長は、ATPのコントロール下であれば安全には問題ないとの認識を示した上で、規定にのっとった運行を求めて再教育に努めると説明した。
今回は新聞への暴露投稿から問題が明らかとなったが、台鉄は人為的なミスによる痛ましい事故が二度と起きないよう、運転士の規律向上には不断の努力を傾けてほしいものだ。
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