ニュース 社会 作成日:2019年11月22日_記事番号:T00087033
台湾でも近年、発光ダイオード(LED)街灯が増えている。明るく、消費電力が低くて長寿命と、一見いいことずくめだが、毎晩LED街灯に照らされた街路樹の片側だけが花が咲かないなど、生態系への影響も指摘されている。
台北市士林区の天母地区で、街路樹として植えられているタイワンモクゲンジは、例年9~10月ごろに小さな黄色い花が咲き、ピンク色の実を付けるが、今年はLED街灯に照らされている側を中心に花実が付かなかった。
この状況を報じたインターネットサイト「天母生態大地(エコ・ネーチャー天母)」の李珊珊執行長は、天母以外でも街路樹が花実を付けない例が出ており、これらを食料とする鳥や虫の生息数が減少していると指摘した。
野鳥保護団体「台北市野鳥学会」によると、LED街灯の設置範囲が拡大し、北投区の関渡自然公園保護区が照らされるようになった結果、鳥類の休息や、アナグマやハクビシン、イタチなどの夜行性動物の餌探しが阻害されている。また、タイワンゴシキドリなど多様な生き物が暮らす桃園市平鎮区の鑊篤陂塘生態公園では、「鳥や虫の鳴き声があまり聞こえなくなった」「フクロウの姿を見掛けなくなった」などの投書があった。
動植物だけでなく、キクの花が咲かない、ホウレンソウが成長しない、イネが実らないなど、農作物の生育にも影響が出ている。
地方政府や管理当局は、街灯にかさを付けたり、輝度の低い製品に交換したりと、対策を取り始めている。眠るべきときに眠ったり、食べたりしなければならないのは、人も動植物も同じ。LEDをうまく利用して、自然との共生を図りたいものだ。
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